ダシャシュワメードガートのプージャーと聖地で派手に騒ぐ若者と。
【ダシャシュワメードガート前で行われた日没のプージャーの様子】
その雰囲気に身を置きたい一心で、世界中から観光客が訪れる。
特に北インドを巡る基本的なパッケージツアーでバラナシは必ずと言っていいほど入っており、
インドを象徴する写真として必ず使われるのが、タージマハールとガンジス川での沐浴(日の出つき)である。
近年のインドはIT立国や高度経済成長など取りざたされることも多いが、一転、バラナシに目を向けると、
高層ビルも大型ショッピングモールの姿もなく、雄大に流れるガンジス川とそれに寄りそう人々の生活が息づいている。
旧市街も少し主要道路を外れれば、4,5階建ての小規模なビルが目に付くこともあるのだが、
ダシャシュワメードガートを起点とした周囲の商店街の雰囲気は10年前と大して変わらない。
違うと思ったのは、巡礼者とは全く別の一般のインド人国内観光客の多さだった。
神様のコスプレで撮影。
バックは勿論ガンジス川。
日暮れ前のガート。
プージャーは日没後に始まる。
川側の部屋の中で最も安い部屋を予約したが、かわいらしいバルコニーが付いており、 一応は部屋の中からもガンジス川の日の出を見ることができる。
しかし、滞在中は朝靄が濃かったこともあり、毎日ぼやっと日が出てくるため、 観光パンフレットにあるような沐浴する人々の背後に上がる太陽・・・というシチュエーションは拝めなかった。
夕方になりダシャシュワメードガートにプージャーでも見に行くことにした。
プージャーというのは礼拝のことで、ダシャシュワメードガートでは、
日の出、日没の頃に行われる。
今回でバラナシは3回目なんだけど、そんなの前からあったっけ?という感じ。
周辺のヒンドゥ住民や巡礼者の生活に組み込まれた祈りの儀式であって、
観光客がわーわー集まるような類いのなかったのではないかと思う。
日没が近づくにつれガートには人があふれかえり、場所の取り合い合戦が勃発。
こういうときにずうずうしいのはやっぱりおばちゃんで、隙あらば割り込むし、
先に見やすい位置を確保していた人を集団の力で「もうちょっとあっちに行ってよ。」と押しやったり。 なんだか大変な騒ぎになっていた。
そーいやインドのおばちゃんって駅のトイレの行列とかで堂々と割り込んで来るもんなぁ。
その集まった人々を目当てにしてかなりの数の商売人がうろついていた。
お参り道具や儀式で使う音楽が入ったCD、さらに飲食物。ここまではわかるんだけど、意表を突いて売れていたのが下敷き。
見る角度によってキャラクターの着ているドレスや表情が変わるのがツボだったようで、 女の子だけでなく男の子まで真剣に選んで買ってもらっていた。
子供の頃って、修学旅行とかで訳のわからない土産物を買っていたものだが、そういう子供の心理はどこでも同じだ。
親もあっさり一人一人に買ってやるあたり、やっぱり家族旅行でバラナシに来た比較的裕福な層だと思われた。
日が沈み、徐々に辺りが暗くなってくると、ガンジス川に向かって設けられた台座の上で礼拝僧が祈り始める。
燭台には火が灯され、太鼓や銅鑼、音楽に合わせてたいまつを掲げたりする姿は祈りというよりショーに近い。
それでも30分ほどのプージャーが終わると、人々は聖水を振りかけてもらうために僧侶に駆け寄っていく。
聖水はガンジス川の水なんですかねぇ。その辺りはよくわかりませんけども。
ガートの周辺にはすごい人数のインド人が集まっていたので、正月だからかとも思ったのだけど、
調べてみると、割といつもインド人巡礼者で混雑しているようだ。
改めて、「10年前もこんなことやってたのかなぁ?」と不思議に思う。最初のインド旅はお隣のガートの目の前の宿に泊まったので、 こんなに派手なことやってたら気づきそうなものだ。
ところで、この日の夜は宿の屋上にあるレストランでマサラピーナッツとパコラでビールを飲んだ。
バラナシは聖地なので、しかも聖なるガンガーの目の前となってはビールなど提供してはいけないはずだが、
外国人はビールを飲みたがる。だからメニューには載せず、こっそり出していた。
夜のとばりの降りたひっそりとしたガンジスの流れを肴に軽く乾杯・・・と思っていたのだが、
アッシーガートからやってきた一艘の船で雰囲気は台無し。
その船は派手な電飾をぴかぴかさせ、大音量のダンスミュージックを流しながらゆっくりと近づいてくる。
要するにインドの若者がニューイヤーで浮かれて派手に騒いでたらしいが、さすがに聖地でこれではどひんしゅく。
取り締まり船みたいなのに怒られたようで、我々の目の前に来たところで、急に音量が絞られた。
ちなみに翌日町中を歩いていた時、明らかに巡礼にやってきたと思われる集団を見かけました。
年齢はほとんどが50代以上で、持っていた荷物も簡素な物です。
案内に従い、ガートから一本西側に入った路地にある質素な建物の中に吸い込まれていきました。
巡礼者用の宿泊施設です。
改めて川沿いに回って建物を見てみると、古びた建物を改装して使っている宿が多かったのですが、
作りからして一般家庭が居住するような建物には見えず、恐らくもと巡礼宿ではないかと思った。
私たちのような外国人が川が見える部屋に有り難がって泊まるからということもありますけど、
それ以前の問題として、都会の若い人の間では信仰の形が変わって来ていそうです。
どこの国でも若者ははめ外しますけど、あんな風に聖地で激しく騒いでいた彼らが年を取ったとき、
バラナシはどんな姿に変わっているのだろうか。
また10年くらい経ったら改めて来てみたいかなという気がしないでもないです。
【日没後のガンジス川。夜ももやがかかって遠くがはっきり見えない。】
バラナシの宿
シタ ゲスト ハウス Sita Guest House
Chausatthi Ghatの目の前にあるゲストハウス。アゴダagodaで予約した。
ガイドブックの地図が間違っていて、宿探しに苦労した。(その上変な客引きが着いてくるのがイライラし通し。)川沿いに出て外から探したら一発で見つかった。乾期だったらガート沿いを歩いた方が早い。
バラナシの宿は供給過剰だが、ガンジス川が見える宿を希望する場合は事前に予約した方がよい。
すべての部屋からガンジス川が見えるのが売りだが、最も眺望のいい部屋は2014年1月現在、全面改装中。
水を供給するタンクが空になり水が止まると、動き出した直後は泥水がでる。最初はどん引きした。
お湯は出るしスタッフは親切だしまあまあです。値段は気持ち高いけど、ガンジス川沿いだから。
屋上レストランからガンジス川が見渡せて良いですよ。
インド・黄金街道に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2013年12月~2014年1月
1Rs=約1.7円
1Rs=約1.7円
■食事:ピーナッツマサラ、オニオンパコラ、ビール×2 Rs.530
■宿泊:シタ ゲスト ハウス Sita Guest House 2500円くらい(agoda)
■成田-ニューデリー航空券 直行便で60,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
ニューデリーへはJAL、ANA、エアインディアなどの直行便が飛んでいます。
私は今回、タイ航空を使い、デリーinコルカタoutの旅程をとりました。(特典航空券を含む。)
タイ航空、シンガポール航空など、羽田を深夜に出る便から乗り継ぐと町中に日中に着くメリットもある。
安いものでは、中国の北京、昆明など2カ所くらいを経由する便などもありますが、
燃油サーチャージの分、経由便は燃油代がかさむので苦労する割に安くはならないです。
私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。