世界遺産カジュラホ。のんびりしてて食べ物もまずまず。
【屋根の上に乗った球を棒で落とそうと奮闘中。西瓜割りみたく「もっと右!」とか友達が指示。】
メイン路線の車両はぎゅうぎゅうで通路に座り込んでいる乗客すら出ていたのに、こちらはガラガラ。
1車両の乗客は10人にも満たないような状態だった。周りの客への気遣いもいらなくなりようやくほっと一息。
チャイ売りを探すため窓の外をうかがっていると、一人のインド人青年とバチンと目が合った。
「この列車はカジュラホ行きだよ。僕もカジュラホに住んでるんだ。」
だから何?って感じで適当に聞き流し、ほとんど無視したが、彼は出発間際に同じ車両に乗り込んできた。
当然のように同じコンパートメントに入って、さりげなさを装いつつ、2人分くらい間を空けて黙って座る。
やっぱり客引きだよ。ガラガラなのにわざわざ人がいるコンパートメントに座るのはおかしいだろ。
そもそも純粋に日本人や外国人に興味があって近づいて来る人と違って、態度がわざとらしいのである。
カジュラホはたまたま遺跡が残っており世界遺産になってはいるが、基本的に田舎町である。
かつて観光客目当てのガイドの強要やつきまといのひどさで悪名が高かった。
観光客の数よりゲストハウスの部屋数の方が圧倒的に多いため、客の取り合いが非常に激しく、
口コミ情報も推薦や罵倒のやらせのオンパレードで、「自分の目で確かめて宿を探せ」と警告しているほどだ。
アグラのタージマハール周辺もそうだったが、世界遺産になったことで取り締まりが厳しくなっており、
施設の周りでの客引き行為がしにくくなったのだろう。
最近では駅やバスターミナルに張り込んで、偶然同乗したように見せかけて近づいてくるのだそうだ。
観光客の落とすお金で生活が成り立っているのはわかるが、悪質なのに巻き込まれるのはまっぴらごめん。
自称カジュラホ在住の青年は、静かに隣に座っていた。
一人旅でなかったのは幸いで、一人旅だったらまず間違いなく話しかけられてめんどくさいことになった。
青年はカジュラホに着くと我々の視界からいったん消えたのだが、オートリキシャに乗り込もうとしたとき、
いきなり現れ我々の雇ったリキシャの助手席(というか運転手の隣)にさっと滑り込んだ。
最初から「貸し切りじゃないと乗らない。」と交渉していたので運転手が追い出したけど、
乗り合いにしていたら宿までついてきたんでしょうね。やっぱり。
ちなみにカジュラホの安宿は飛び込みでも絶対に空室が見つかるのはわかっていたが、 トラブルを避けるために事前に予約しておいた。 「予約してある」と言うと、客引きもコミッションが取れないとわかって引き下がるからである。
まあ、予約して無くても「予約してある」と言い切ればすむことですけど。一人旅なら日本人宿に行くのも手。
しかし、自分で言うのもナンだが、だいぶ旅慣れたなぁ。昔は見事に客引きや痴漢に引っかかってましたから。
インドの旅はいろんな意味で経験値がものを言う。
ある意味日本人と真逆の気質を持っているので最初は戸惑うし、あまりに違う文化や生活環境に
「外国に来た」と気分が浮かれてしまい判断力が鈍る。
田舎に行けば外国人が珍しいだけで話しかけられる場合が多いけど、こと観光地になると好奇心で話しかけてくる人は インド人の観光客くらいで(特に学生など若い子)、勝手に近寄ってくる人はたいていその人の商売が絡んでいる。
ニューデリーの客引きなど一般人のふりをして近づく様が実に巧妙だが、カジュラホも似てきた感じ?
世界遺産になったことで駅もできたし、飛行機の便も増えた。
それに伴い観光客の数も増えているはずだけど、団体客は高級チェーンホテルに吸い込まれていくし、
大型バスで移動して、ホテルのレストランで食事をする。
だから数少ない個人旅行者は取り合いになってる感じだけど、それに巻き込まれるのはイヤなんだなぁ、私は。
タンドール制作中の職人さん。
観光にリキシャを雇わないかと持ちかけられるも丁重にお断り。
駅から町までのチャーター料金がローカル料金だったので不思議だったのだが、 宿の紹介や観光用チャーターで稼ごうと目論んでいたらしい。
今は冬で気温も低いし、歩くのが好きなのでリキシャは不要。
ただし、南の寺院群まで行く場合、自転車を借りた方が便利かもしれません。
セクシュアルな石像で有名な西の寺院群は遺跡公園として整備されており、
勝手に付いてきて、勝手に適当な解説をしてガイド料をせびるような輩も消え、
普通に観光ができたのは世界遺産になったおかげかも。
ヒーターが漏電したので購入。
中国製よりインド製のが丈夫。
しかし、昨今ではあまり見なくなった「お金ちょうだい」「ペンちょうだい」という子供たちを久しぶりに見たのもカジュラホで、 BRICSとか、高度経済成長とかいって大騒ぎしているけど、恩恵を受けているのは一部だけというのもはっきりわかる。
もう必要ないと思ってたんだけど、もらい物のいらないペンとか持ってきても良かったかも。
そして、この後、バラナシを経由してインドの最貧州と言われるビハールに初潜入。
ビハールの貧困問題は根が深く、ちょっとやそっとじゃどうにもならないとしみじみしたのは3日後のお話。
カジュラホだって、世界遺産の周りしか歩いてないから表面しか見てなかっただろうけど、それ以前の問題というか。
知日インド人が「日本はどんなに田舎もインフラが整っている」と賞賛していたことを改めて思い出した。
日本人が当たり前と思っていることが他の国では当たり前ではないことをしみじみと感じました。
カジュラホの滞在は思っていたほど不愉快な思いもせず、割とのんびりと滞在できました。
難を言えば冬は少し冷えることですけど、逆におじさんたちと一緒にたき火に当たるのも楽しいかもよ。
インド カジュラホの写真
カジュラホ 西の寺院群の彫刻
かつてのカジュラホでは寺院を見学していると(特に女性の一人旅)、セクシュアルな彫刻をレーザーポインターや懐中電灯を照らして「これ見て、これ見て」とかゆって執拗につきまとったあげく、ガイド料を請求されるなんてことがよくあったようです。カジュラホが行きにくい場所にあることと、それらのガイドの噂を聞いて今まで近寄らなかったのですが、寺院群全体が塀で囲まれ、正式に雇われている人以外は入れなくなっていました。
正式なガイドは入場門のところで雇えます。
さーーっと見て回るだけなら1時間もあれば充分ですが、ガイドブックなどを片手にじっくり見て数時間でしょうか。
各寺院の内部は土足厳禁なので、サンダルで来ると脱ぎ履きが楽です。 一応、寺院の前に係がいるので、靴の盗難もそれほど気にしなくて良い。
さーーっと見て回るだけなら1時間もあれば充分ですが、ガイドブックなどを片手にじっくり見て数時間でしょうか。
各寺院の内部は土足厳禁なので、サンダルで来ると脱ぎ履きが楽です。 一応、寺院の前に係がいるので、靴の盗難もそれほど気にしなくて良い。
寺院の内部を歯ブラシで清掃中
乾期だったことも関係するのか、寺院の内外を掃除していました。
掃除に使っているのが歯ブラシ。歯ブラシだとあっという間にブラシの毛がだめになってしまうと思うのだが。
スプレーに入れた液体を吹き付け、歯ブラシでごしごしとこする。落としているのはカビみたいです。
掃除に使っているのが歯ブラシ。歯ブラシだとあっという間にブラシの毛がだめになってしまうと思うのだが。
スプレーに入れた液体を吹き付け、歯ブラシでごしごしとこする。落としているのはカビみたいです。
お隣のヒンドゥ寺院 マタンゲーシュワラ寺院
マタンゲーシュワラ寺院は現役の寺院として参拝客が訪れるため西の寺院群のすぐ隣にあるが、塀の外にある。ヒンドゥ寺院の場合、ヒンドゥ教徒以外は入れてくれない場所もあるけど、こちらは入れました。
高さ2.5mのリンガの周りをぐるりと回り、最後にバラモンが参拝の印にヒンディをつけてくれたのでお布施を置いてくと、 その金額を見たバラモンがびっくりと目を見開き、「こっち来なさい」と手招きする。お布施の金額が多めだったので、旅の無事を祈ってくれました。 お祈りしながら女は左、男は右手首に赤い紐を巻く。
さすがに僧侶がお祈りしてくれたので外すわけにもいかず。帰国後、1年以上手首に巻かれていました。
高さ2.5mのリンガの周りをぐるりと回り、最後にバラモンが参拝の印にヒンディをつけてくれたのでお布施を置いてくと、 その金額を見たバラモンがびっくりと目を見開き、「こっち来なさい」と手招きする。お布施の金額が多めだったので、旅の無事を祈ってくれました。 お祈りしながら女は左、男は右手首に赤い紐を巻く。
さすがに僧侶がお祈りしてくれたので外すわけにもいかず。帰国後、1年以上手首に巻かれていました。
シヴ・サーガル湖の向こうに沈む夕日
西の寺院群の南側にあるシヴ・サーガル湖と湖の西奥にあるお寺。チャウンサト・ヨーギニー寺かな。
奥のお寺まで散歩して戻ってきたときにちょうど日が沈んできました。 西の寺院群周辺はのんびり徒歩で見学して半日あれば充分です。
奥のお寺まで散歩して戻ってきたときにちょうど日が沈んできました。 西の寺院群周辺はのんびり徒歩で見学して半日あれば充分です。
東、南の遺跡
東群の遺跡は散歩がてらにのんびりと歩いて回れる範囲にあるが、南まで足を伸ばすとかなりの距離なので、歩くのが苦手な方はリキシャを雇ったり、自転車を借りたりする必要があります。
とある西洋人の団体客は自転車を借りたようですが、自転車屋の息子?と思われる男の子がスクーターで団体を先導し道案内をさせていました。 人数が多いので一人あたりの支払金額は知れてるし、なかなかうまいアイデアです。
歩いていると中学生くらいの子供がつきまとってくるのがうざいけど、強く断ればそのうち消えます。
とある西洋人の団体客は自転車を借りたようですが、自転車屋の息子?と思われる男の子がスクーターで団体を先導し道案内をさせていました。 人数が多いので一人あたりの支払金額は知れてるし、なかなかうまいアイデアです。
歩いていると中学生くらいの子供がつきまとってくるのがうざいけど、強く断ればそのうち消えます。
ジャイナ教寺院
東群の遺跡で一番大きいのがジャイナ教寺院。ジャイナ教徒は殺生を極力してはいけないため、根菜すら食べないベジタリアンなのは有名ですが、
だから寺院に入るのも革製品持ち込み禁止です。
入り口で男性陣はベルトを外し、女性はバッグを預けて入場していました。 私は持っていたバッグの一部(留め金とファスナー)に本革使われていましたけど、それ以外に革製品なかったしスルーです。
入り口で男性陣はベルトを外し、女性はバッグを預けて入場していました。 私は持っていたバッグの一部(留め金とファスナー)に本革使われていましたけど、それ以外に革製品なかったしスルーです。
カジュラホの村の人々の生活
オルチャでもそうでしたが、豚を飼っている人が多いのか、その辺で放し飼いにされた豚をよく見かける。しかし豚を食べさせるお店はないので、大都市の高級中華料理やなどに下ろすのだろうか。謎です。ゴアとかに行けば豚肉食するので、レストランのメニューに出てきますけど。
山羊は飼っている家庭が多いようで、家の前につながれている山羊さん多し。
乾期でしたが湖はなんとか涸れてなかったし、井戸の水も豊富で女性たちが洗濯をしておりました。 各家庭に水道が引いてあるなんてことはなさそうです。
山羊は飼っている家庭が多いようで、家の前につながれている山羊さん多し。
乾期でしたが湖はなんとか涸れてなかったし、井戸の水も豊富で女性たちが洗濯をしておりました。 各家庭に水道が引いてあるなんてことはなさそうです。
カジュラホで食べたものいろいろ
カジュラホは観光地なので食べ物やには困りません。
初日は西群寺院の前の観光客向けのレストランに行きましたが、2日目は屋台で買い食い。
特に良かったのがシーク教徒が細々とやっているタンドーリ・チキン屋さん。夕方から酒屋の前に店を出し、その場でチキンを焼いてくれる。
初日の晩ご飯の帰りに目をつけていて、翌日買いに行ったのですが、実は店の奥に食事するスペースが作ってあった。
要するに、チキンをつまみに酒屋で買った酒を飲める店だった。これは気づかなかった!
別のお店でオムレツトーストと サモサを購入し、タンドーリチキンと一緒に宿で食べましたけど、チキン屋さんのテーブル席に気がついてたらここで飲んでもよかったなぁ。
カシミーリーコフタ、 ムルグ・マッカーニー、 パラタにターリーはレストランで食べたもの。 寺院が多いのでお供え用のお菓子を売る店もちょこちょこあり、ラドゥー を買っておやつに食べました。いわば豆粉で作った落雁です。
別のお店でオムレツトーストと サモサを購入し、タンドーリチキンと一緒に宿で食べましたけど、チキン屋さんのテーブル席に気がついてたらここで飲んでもよかったなぁ。
カシミーリーコフタ、 ムルグ・マッカーニー、 パラタにターリーはレストランで食べたもの。 寺院が多いのでお供え用のお菓子を売る店もちょこちょこあり、ラドゥー を買っておやつに食べました。いわば豆粉で作った落雁です。
カジュラホの宿
ホテル・ゼン hotel Zen
カジュラホは宿が供給過剰なので事前予約しなくても絶対に泊まれるが、
客引きがしつこくて有名なので利便性の良い場所の宿を事前にアゴダagodaで予約しておいた。
供給過剰なので直接交渉の方が割引してもらえる可能性はあります。
町の中心地に近く、小ぎれいに整えてあるし、お湯もでてまずまずです。
列車の時間(夜行)に合わせて部屋の延長もお願いしました。
インド・黄金街道に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2013年12月~2014年1月
1Rs=約1.7円
1Rs=約1.7円
■交通:オートリキシャ カジュラホ駅-カジュラホ Rs.50(行き) Rs.200(帰りは観光客価格)
■食事:カシミーリーコフタ Rs.120、 ムルグ・マッカーニー Rs.230、ナン Rs.40、ベジタリアンターリー Rs.150、パラタ Rs.50~80、タンドーリ・チキンハーフ Rs.140、オムレツトースト Rs.40、サモサ Rs.10/個
■その他:ラドゥー Rs.5/個、チャイ Rs.10、ムングダル Rs.6、ビスケットRs.20、ウォーターヒーター Rs.100
■宿泊:ホテル・ゼン hotel Zen 約1000円(agoda)、レイトチェックアウト +Rs.570
■成田-ニューデリー航空券 直行便で60,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
ニューデリーへはJAL、ANA、エアインディアなどの直行便が飛んでいます。
私は今回、タイ航空を使い、デリーinコルカタoutの旅程をとりました。(特典航空券を含む。)
タイ航空、シンガポール航空など、羽田を深夜に出る便から乗り継ぐと町中に日中に着くメリットもある。
安いものでは、中国の北京、昆明など2カ所くらいを経由する便などもありますが、
燃油サーチャージの分、経由便は燃油代がかさむので苦労する割に安くはならないです。
私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。