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デリーin6回目。シバの祭り好きなデリーの客引きとの攻防。

デリーメトロの看板
【デリーメトロの看板:これができたおかげで旅行者は助かった。】
かつてはインド旅行で最もハードルが高いのは、インド入国直後に街まで出ることだった。
その後の旅行中でもお金を多めに払いすぎたり、騙されたりすることが全くないわけではないのだが、
そのあたりは他の国でも起こりえることだし、そういう商習慣に慣れてしまえばそれほど問題にはならない。

しかし、多くの旅行者の玄関口になっているデリーに限るとそれだけではすまない。
他の大都市ではあまりない入国したてで勝手がわからない旅行者を目当てにした悪質な旅行代理店が多く、
薄給の運転手はそんな代理店へ、マージン目的で旅行者を斡旋するのだ。
空港の入場を有料にしたり、プリペイドタクシーでタクシーナンバーを管理したりと、行政も対策をうっているが、それでも悪質な客引きに引っかかる者が後を絶たない。

私は、今回の渡印11回目になるが、デリーからの入国回数を数えると6回目になる。

初インドでは真夜中の到着&女2人旅で警戒の余り、失礼な態度とった小娘に対し、
プリペイドタクシーの切符売りのおじさんは逆ギレしながらもバスの運転手に我々を託してくれた。
ローカルバスがお客をすべて降ろした後、ホテルまで送ってくれるというとんでもない親切を受けたのである。
(詳しくは、「どきどきインド入国:気負いすぎで迷惑かけまくり。 」に書いてます。)

その後は、ホテルの従業員に連れて行かれた旅行代理店でツアーを組んでしまったのだけども、
悪質な代理店ではなく、料金も安かったし、それなりに楽しんだのが初めてのインド旅であった。

以後のデリー入国は、日本からの直行便だったため、日本人旅行者を捕まえてタクシーをシェアして乗り切ったり、(案の定、旅行代理店に連れて行かれたが、みんなで結託して頑として降りなかった。)
購入した航空券が空港送迎付きのパッケージタイプだったりと、
入国でトラブルに巻き込まれるということだけはなかったのが幸いである。

ちなみにデリー以外の国際空港では客引きに引っかかることは皆無で、拍子抜けするくらいだ。

今回はインド旅行が5年以上ぶりな上、さらにデリーからの入国は10年近く経っている。
空港から地下鉄が通じたので大丈夫だとは思いたいが、とにかくデリーは一般人を装った客引きの宝庫なので、最大限の警戒をしつつ、空港に降り立った。

デリーメトロ路線図
デリーメトロ路線図。
詳細は公式サイトでどうぞ。
今回のインド入りはタイ航空。羽田空港深夜発のタイ航空は早朝にバンコクに着くため、 そのままタイ航空のデリー線に乗り継げる。
これまでのデリー入りは、日本からの直行便を使っていたため、到着が夕方以降だったが、 この便を使うと、デリーに昼前に到着できて非常に効率が良い。

何より明るいうちにデリーの空港に着くのは安心感が違う。地下鉄の営業時間内だからだ。
空港ターミナルビルから出たところで、かつてよくいたエアポートリムジンを装った客引きに遭遇するかと思ったが、こちらを見て寄ってくる人物など皆無で、案内表示をたどって普通に地下鉄乗り場にたどり着いてしまった。

デリーの空港では未だに空港から客引きに引っかかるトラブルが多発していると聞くが、
昼間に到着してしまえば、そのようなトラブルに遭う確率は極端に減るようだ。
(※2012年に地下鉄が不具合で半年くらい営業停止していたこともありますし、渡航前に確認を。)

デリー駅東側のファストフード店
駅裏側に唯一あるお店。
インド風ファストフード店。
空港から地下鉄に乗り、終点のニューデリー駅の一つ手前で下車。
土曜日でもあいている郵便局GPOの最寄り駅だからだ。
しかし、駅を降りたところで、デリーの地図を持ってなかったことに気づく。
デリーに滞在するつもりがなかったので、うっかりコピーし忘れた。
おまけに唯一持ってきた古いガイドブック「旅行人ノートインド黄金街道」は、飛行機に置き忘れてしまった。
デリーは土地勘があるほうだが、そもそも以前は地下鉄が通ってなかったわけで、この駅に降り立つのは初めて。方向がわからない。
たまたま駅で家族の到着を待っていたらしいおじさんが教えてくれたので、事なきを得たのだが、
結局、この後、ニューデリー市内特有のサークル形式の交差点に翻弄される羽目に陥った。

駅からGPOは歩いて5分ほどで、迷うことなくたどり着いた。
あたりで暇そうに客待ちをしていたリキシャワラが「フェスティバル、フェスティバル。」と叫んでいたが、
バカ丸出しというか、だから一体なんなんだという話である。いきなり「祭りだ!」で意味通じるかよ。

フェスティバルはデリーに巣くう悪質なリキシャワラが旅行者の行動を阻むのに使うお決まりの台詞で、
例えば、「メインバザールに行って。」というと、「今日はシバの祭りで通行止めでメインバザールには入れない」と返してくる。 (詳しくは、「シヴァの祭りでメインバザールに行けない旅人。」をどうぞ。)
そういうやりとりがあって初めて意味をなすのがフェスティバル。しかも、こっちは目の前にある郵便局に行くのに何がフェスティバルだ。

リキシャワラをきっぱり無視してGPOに入り、日本宛の郵便をちゃっちゃと出す。
入国日にいきなり郵便ってなんの話かと思われるでしょうが、年賀状をインドから出すんだそうで。
ちなみに日本ではがきを出すと50円取られますが、インドから日本宛は2013年現在で15ルピーでした。
こんな大量の郵便を半額以下で配達させられる日本の郵便局もたまったものではないだろう。
(10年前は8ルピーでしたが、当時は1ルピーが3円弱だったので、日本円にするとあまり変わらない。)

さて、問題はGPOを出てからであった。ここいらは街の作りがイギリス式というか(行ったことないけど)、
街の主要な道路が交差する地点がサークル形式になっており、そこから放射状に道路が延びていくのである。
信号がないので道路を渡るのにも苦労するのだが、通りの名称やランドマークが頭に入ってないと、
どちらの方向に行けば良いのか、方向感覚が狂う。

駅、GPO、コンノートプレイスをつなぐ地図は頭の中に思い浮かぶのだけど、現在地がわからない。
ガイドブックがあれば通りの名称が書いてあるのだけど、ガイドブックをなくしたのが痛い。

バス停にあった地図には現在地、いわゆるYOU ARE HEREの表示がない。
「今、一体どこなんだろうなぁ。」とその中途半端な地図を見つめていると、
先ほどから一定の間隔を保ちながら斜め後ろをぴたりとつけて歩いていた男が近寄ってきた。

妙な間をとりながら同じ歩幅でぴたりとついてくるのが怪しいと思っていたのだ。やっぱり客引きだ。
この男のことなど気にせずコンノートプレース方向の道が何個目かを確認すれば良かったのだが、
うんざりして、話しかけようとするところを無視して、ろくに地図を見ずに歩きだしてしまった。

その後、通りすがりの男性を捕まえて、「コンノートへの道ってこっちであってる?」と聞いてみたりしたが、
コンノートプレースは同心円状に広がっているため、「コンノートのどこに行きたいの?」と逆に聞かれてしまい、コンノートの中心に行きさえすれば、後は駅までたどり着ける自信のある私とはうまく会話がかみ合わない。
先ほどの客引きに聞かれたくなかったので、最終目的地が駅だということは口にしたくなかったのだ。

案の定、頃合いを見て先ほどの客引きが近づいて来て、「コンノートプレースはここだ。」「俺は今日ホリデイだから家の近くを散歩しているだけだ。お金を取ろうとか思ってないよ。」とか言う。

あのね、普通の通りすがりのインド人なら自分からお金のことなんて言い出さないのよ。
そんなことを口にするだけで、明らかに客引きだってバレバレだっつーの。なんなのよ、さっきから。
(ザックを背負ってるから遠目にもロックオンされちゃうんだけどね。)

「なんだったらあそこでデリーの地図をもらいなよ。それで道を探せば?」


大きな地図で見る
googleの周辺地図。これも間違ってます。地下鉄駅の場所が違う。

男の指す方向には例の如くTOURIST INFORMATIONと観光案内所のふりをした旅行代理店。
そして、私はさきほど道路表記をしっかり見ていたので気づいていたんですよ。
今私が立っているこのあたりがゴールマーケットだということを。
ゴールマーケットは、悪質な旅行代理店の巣窟として有名な地域なのである。
そして、そのまま通りすがりの一般人のふりして、自らその場を立ち去る客引き。
もし「地図ください。」なんて気軽にあの店に入ったら、それで済まないのは明白で、
代理店の口車に乗って払ったお金の何割かがあの男のポケットに入るのだ。誰がひっかかるか。

結局、サークルで曲がる道を一本間違えたことで、通りたかった一つ西側の道を平行に歩いていたようで、
向かいからバス来たのを見て、道はともかく歩いている方向は間違ってないことを確信したのだが、
同行者に「もう一度地下鉄に乗り直すか、リキシャを拾おう。」と説き伏せられ、通りすがりのサイクルリキシャでメインバザールまで行くことになった。
メインバザールはリキシャでものの5分とかからず、すぐに見覚えある町並みになった。

その後、列車に乗るためにニューデリー駅に向かったところ、駅の入口付近でこちらに向かって必死に
「セカンドフロア~、エクスキューズミー!セカンドふろあ~」と人混みの向こうで叫ぶ男がいたが、
どうもこの手の客引きは駅構内に入れてもらえなくなったらしい。

駅構内で外国人を捕まえ、列車の予約オフィスが移転したとか、駅員のふりをして列車の予約が無効だと言い張ったりして、 旅行者を騙すインド人が現れるのもニューデリー駅の風物詩だ。

最近のガイドブックでは、オンライン予約のe-ticketを持って駅に現れた旅行者を捕まえて、
「これでは列車に乗れないから、窓口で正規のチケットに交換せよ。」なんていう輩もいるそうだが、
その手の輩を警戒して駅に行けば、構外で必死に「せかんどふろあ~」なんてゆってるだけで、なんとも滑稽だった。

空港から駅まで一直線に地下鉄でニューデリー駅まで来れるようになり、悪質なタクシーに引っかかる外国人も減っただろう。
そして、駅構内にのさばっていた客引きもすっかり排除され、稼ぎづらくなったようだ。
今や最も警戒すべきは、パンピーぶって近寄ってくる客引きですかね。(これはデリーでは神出鬼没。どこにでもいる。)

なんか、昔よりカモが減った分、一度引っかかったらそうとう絞られそうな気がする。

インドの他の都市ではこの手の客引きはほとんどいない。
いたとしても宿泊施設の紹介料を稼ぐ程度の輩で、よっぽどのことがなければ不愉快な思いをすることはない。

昔、インドを一人で旅した時は、話しかけられると無視することができず、客引きに引き込まれたことが何回かあったが、私も経験値積んだなぁ。昔はあれが客引きだってわからなかったもん。

ともあれデリーはこんなところだし、滞在する理由も特にない。
列車の切符は日本から手配済みだったので、夕方のラジダニエクスプレスでさっさとデリーを後にしました。

「日本人だけだよ!インド人に話しかけられて答えちゃうの。他の外国人は無視するよ!」

客引きにいいように引っかかっていたとき、こんなこと言われたことがあります。

インドの客引きも悪徳旅行代理店も、どこかに軟禁して無理矢理お金を出させるような強盗のような輩はまれで、むしろ曖昧で優柔不断で、ディベートベタな日本人を言葉巧みに説得して、自ら財布の紐を緩めさせる手法に長けているので、 流されなければ大きな遭うことは少ないと思います。

ガイドブックに書いてあるような人には本当に出会うので、「こんなのうっそだ~。」と思っても、ガイドブックのトラブル欄は事前に読んでおくことをおすすめします。
インドは純粋にフレンドリーなだけの人も多いけど、ニューデリーの主要地周辺だけは要注意人物がそこかしこに出没します。特に向こうから寄ってくる人は警戒した方がよいです。
土産物屋につれてかれるくらいだったら、少し多めにお金を払うくらいですみますけど。

インド・黄金街道に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2013年12月~2014年1月 1Rs=約1.7円

■地下鉄:インディラガンディー国際空港-シバジスタジアム 120Rs
■食事:ベジタブルカティロール 70ルピー、水 15Rs.
■その他:日本へのはがき 切手代 12Rs/枚、アルーバジャ 15Rs

■成田-ニューデリー航空券 直行便で60,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
 ニューデリーへはJAL、ANA、エアインディアなどの直行便が飛んでいます。
 私は今回、タイ航空を使い、デリーinコルカタoutの旅程をとりました。(特典航空券を含む。)
 タイ航空、シンガポール航空など、羽田を深夜に出る便から乗り継ぐと町中に日中に着くメリットもある。
 安いものでは、中国の北京、昆明など2カ所くらいを経由する便などもありますが、
 燃油サーチャージがかかる現在、経由便は燃油代がかさむので差額はさほど大きくないです。
 私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。