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ベトワ川のほとりの古都オルチャ。静かな観光地です。

お弁当を牛に狙われた家族
【お弁当を背後から牛に狙われた家族。お兄さんが牛を食べ物で引きつける。】
インド入国初日はジャンシーに宿泊し、翌朝マディヤプラデーシュ州北部の古都オルチャに向かった。
ジャンシーからオルチャに行くにはローカルバス、オートリキシャ、列車の3つの手段が考えられる。
当初、ジャンシー駅を早朝7時発のローカル列車に乗ってオルチャに向かおうと計画していたのだが、
日本から一気にジャンシーに移動した疲れで早起きする気力がなくなり、断念。オートリキシャにした。

後になって考えると、この判断は大正解。無理矢理早起きしてたら大変だった。

というのも、この早朝の列車は翌朝、ジャンシーからカジュラホに向かうために乗ることになるのだが、
その列車がオルチャ駅に到着したのは予定時刻を1時間以上過ぎていた。始発の次の駅なのに。
もしかしたら毎日このくらいの遅延は当たり前かもしれず。
この寒い中、いつ来るかわからない列車をホームで待ち続けるのは拷問でしかない。

また、仮に時間通りに列車が来た場合、朝の8時前にはオルチャの町に着いてしまう。
ホテルには午後までチェックインできない。(※ゲストハウスに飛び込むなら空いてる。予約してたので。)
観光名所はぎりぎり開いてるけど、そもそもオルチャ自体が半日もあれば十分の規模なので、時間が余る。

さらにオルチャ駅は町から3キロほど離れているので駅から徒歩かオートリキシャに乗り継ぐことになるのだが、
リキシャはジャンシーほど数がないので、料金交渉が不利。特に早朝はふっかけられる。
逆にジャンシーは供給過剰で買い手市場。相場通りの料金で行くドライバーを楽に探せるのだ。
(ちなみに相場はホテルのフロントに聞くと、だいたいのローカル料金を教えてくれます。)

オルチャのカンチャナガートkanchana ghat
カンチャナガートと橋。

乾いた川の向こうに宮殿が見える
宮殿。乾期は水がない川の支流。
朝の9時過ぎに宿を出発し、リキシャで予約した宿オルチャリゾートへ。
まず荷物をフロントに預け、オルチャの観光に出かけた。

オルチャリゾートは町の南部のペトワ川沿いにあるリゾートホテル。
すぐ先にはガートがあり、朝から沐浴や洗濯をする人々で賑わっていた。

ベトワ川はヤムナー川の支流の一つ。
ヤムナー川はガンジス川の最大の支流なので、さらにその支流も聖なる水を
たたえる川に他ならず、ヒンドゥ教徒が体を清めに来ていたのであった。
本流のガンジス川は観光客であふれかえり、賑やか過ぎるくらいだが、
あくまでも静かに祈りを捧げ、体を清める。

ちなみに夜明け前に町にでると、前身をショールでぐるぐる巻きにして、
沐浴グッズを片手に歩くヒンドゥ教徒とすれ違います。
この時期のオルチャは朝の気温が10度を下回る日もあり、寒さに凍える。
それでもやっぱり沐浴は朝日を浴びながらでないと意味がないようです。

午後になるとガート周辺には沐浴者より、川辺で遊んでいる子供たちの方が多くなります。

お寺の前のお参りグッズ屋さん
お寺の前はお参り道具の売店。
ラクシュミーナーラーヤン寺院の階段
ラクシュミナーラーヤン寺院内部
こんな石段怖すぎるだろ。
ガートを通り過ぎ、北上すること5分ほどでオルチャの町の中心に出る。
中心から西へ川の支流にかかった橋を渡れば城壁に囲まれた宮殿群。
バンデラ王家の宮殿跡が昔のままに残されており、自由に散策できる。

オルチャの観光名所はすべて共通チケットで宮殿でのみ販売する。
他の場所ではチェックを受けるだけなので、必ず宮殿から回るべし。
また、カメラやビデオカメラは別料金なので、これまた注意です。

オルチャの係員はカメラを持っていても撮らなければうるさく言わない人が多かったけど、まれに注意してくる人もいる。 場所によっては徹底的にチェックされ、カメラチケットがなければ追い返されることもありましたので、もめないためには最初から払った方が無難です。
つーか、外国人は入場料が高いんだから、わざわざカメラ代を別に取ることないじゃんって思うんだけど。

ちなみに、宮殿をくまなく回り、食事休憩を取りつつ、ラーム・ラージャ寺院、ラクシュミー・ナーラーヤン寺院、チャトルブージ寺院、最後に王墓群とぐるりと回ったところで、ほどよく夕方になりました。

オルチャは徒歩でのんびり回って1日もかからない規模の上、客引きの邪魔も入らずマイペースで回れます。
宮殿群など、壊れかけてたり、柵がなく落ちたら死ぬような日本だったら絶対立入禁止の場所にも登れる。
さらに望むなら、宮殿の中にホテルまであり、泊まれば王家気分も味わえる。

知名度が低いので、観光客の数自体が少ない上、外国人よりインド人観光客の方が多かったくらい。
だからお土産物を売ったりする観光客目当ての商売人がほとんどいないので、
声をかけてくるのはチャイ屋のおじさんくらい。
町全体が観光客ずれしておらず、のんびりとした雰囲気で楽ちん。ご飯も美味しかったし楽しい滞在。

アグラ、カジュラホ、バラナシなどの混沌とした場所の合間の休息地にはぴったりです。

オルチャの観光写真

オルチャ宮殿群:ムガル帝国の影響も受けている。

オルチャ宮殿を見上げる オルチャの中心にある宮殿群。これまで観光地としての注目度が低かったが、かといって壊されたり、住民が住み着いたりといったこともなかったようで、 趣ある風情ある宮殿が残っている。
「観光客が来ない=修復する予算もない」のか崩れかけて危ない所もあるが、そのあたりは自己責任というところでしょうか。 その分、ほとんど隅々まで見て回れるから興味深い。
周辺に高い建物もないので、城の上から町全体を見渡せます。

オルチャ宮殿ジャハンギールマハル中庭 オルチャ宮殿ジャハンギールマハル入り口 オルチャ宮殿ジャハンギールマハルから町を見下ろす

宮殿内のホテル Sheeeh Mahal

宮殿内のホテル Sheeeh Mahal入り口 宮殿群の中心あたりの建物は改装されホテル&レストランとして営業している。インドに宮殿は至る所にあるが、宮殿内に宿泊できるところは少ないので、1泊くらい泊まってみるのもアリかも。ただし、客室数は少ないので予約必須です。(州政府が運営してます。)
よく見るとホテルに使われている建物だけ壁が直してあったり、レストランや部屋の周辺に出窓がついていたりします。 昔はガラス窓なんて入ってなかったでしょうし。
宮殿内のホテル Sheeeh Mahal前庭 宮殿内のホテル Sheeeh Mahal全体の様子 宮殿内のホテル Sheeeh Mahalレストランと客室周りだけ改装してある。

オルチャ宮殿の装飾いろいろ

宮殿の青いレリーフが残っているところ 宮殿はほとんど放置されている感じですが、太陽の光があまり当たらない場所などは傷みが少なく、比較的装飾が残っている。
また、明かり取りを兼ねてある?彫刻窓というか、それらの模様がよーくみるとすべて異なっており、統一感がないともいえるし、 職人の遊び心ともいえる感じ。

宮殿の花のレリーフ 宮殿の塔にかすかに青い装飾が残る。 宮殿の壁に残ったタイル装飾
ジャハンギールマハル裏門の彫刻 宮殿内の彫刻窓1宮殿内の彫刻窓2 宮殿内の彫刻窓3宮殿内の彫刻窓4

宮殿のトイレ

宮殿のトイレ部分を外から見たところ ジャハンギールマハルは真ん中に中庭を配置した四角いデザイン。その四隅は塔のような形になっている。とある階でその塔部分を歩いていたら、 床に穴が・・・。トイレであった。
外からその部分を見てみると、下の階は引っ込んでいて排泄物が留まらず下に落ちるようになっていた。
そのように出窓っぽくなったトイレは北西の塔の1カ所だけ。「廊下にあって丸見えだし兵隊の小便用トイレかな?」なんて思って他の塔も確認してみると、南側にはなかった。
と思ったら、南側は塔の中心に向かってスロープがあって、その下にトイレ。こちらは大便用か、はたまた女性用か。塔の真ん中に穴が開いていて、真下に落ちるようになっていたので、階下に排泄物が貯まっているはず。やはりこの時代も肥料とかに使ってたんだろうか。(なんか臭そうだけど、インドの内陸は乾燥してるからすぐにおい消えるかも。)

宮殿内のトイレがある回廊宮殿内のトイレ1宮殿内のトイレ2宮殿内のトイレ3宮殿内のトイレがある回廊外側
宮殿内のトイレに下っていく道宮殿内のトイレ4宮殿内のトイレがある塔の外側宮殿内のトイレ5ラージマハル宮殿内のトイレ6ラージマハル宮殿内のトイレがある塔の外側

ラクシュミーナーラーヤン寺院、王墓など

橋の上から見た王墓 古い建物が残っているのは何も宮殿だけでなく、16世紀に建てられた寺院や王墓などが町中に乱立している。 ラクシュミーナーラーヤン寺院は丘の上に建っているのでここからオルチャ全体を見下ろせるのもよいです。
王墓群はベトワ川沿いに並んでいるので周辺でピクニックをしている家族もいた。 ただし、昔と違ってお弁当のカレーを取り分けるお皿はプラスチック製で、食べ終わったのをその辺に放置して帰ったりするのがちょっと・・・。 遺跡の周りゴミだらけですわ。塀に囲まれた場所は監視がいるけど。

ラクシュミーナーラーヤン寺院 ラクシュミーナーラーヤン寺院のペイント ラクシュミーナーラーヤン寺院の階段
王墓の一部 宮殿をチャトルサージ寺院から眺める チャトルサージ寺院の入り口

オルチャで食べたものいろいろ

プリー・バジ プリー・バージー 野菜カレーの揚げパン添え オルチャではお昼は寺院の前でプリー・バジを、晩ご飯はホテルのレストランでブッフェ(パンジャブ料理と中華だった)を食べました。
プリー・バジーは食べ放題で、周りのおじさんたちはプリーを20枚近く食べていてびっくりした。食べ過ぎ。だって揚げパンですよ。
ブッフェはベジタリアンでゴビ・マタル、バイガン・カ・バルタなど季節の野菜を使ったサブジや炒め物など。 どれもこれも美味しく、特にバイガン・カ・バルタは初めての味でイケた。 タンドールで焼いた茄子を生姜やニンニク、マサラで和えた物で、すごく上品に味付けしてあった。 外国人が多いからわざとスパイスや塩が控えめなのか、シェフの味がこういう味なのかはわかりませんが。 今度どこかでパンジャブ料理を食べることがあったらまた頼んでみたい。

バイガン・カ・バルタ 焼き茄子のミンチの和え物 パンジャブ料理 エッグマサラ 卵カレー グラブ・ジャムーン インド風ドーナツのシロップ漬け
ゴビ・マタル カリフラワーと豆のカレー ダルとナン フルーツカスタード

オルチャ(オーチャ)の宿

ザ オーチャ リゾート The Orchha Resort

ザ オーチャリゾート客室
オルチャリゾートエントランス
Kanchanaghat,Distt Tikamgarh, Orccha

オルチャは宮殿ホテルや宮殿のような豪華なオールドホテルアマール・マハルなど、雰囲気のよいホテルがあるが満室でアゴダagodaでここを予約。町で3番以内に入るホテルで、隣に遺跡もある。(お墓だけど。)
設備、スタッフ、レストランのご飯も美味しかったし値段相応の満足度でした。
お湯がぬるかったのだけが惜しい!って感じでしたけど。冬じゃなければ問題ないでしょう。
テント部屋があるのが謎でしたが、テント部屋の方が値段は少し安いです。

インド・黄金街道に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2013年12月~2014年1月
 1Rs=約1.7円

■交通:オートリキシャ ジャンシー-オルチャ Rs.180
■観光:遺跡入場料 Rs.250
■食事:プリー・バジ Rs.30、ブッフェ Rs.500/人、ビール Rs.200/本
■その他:有料トイレ Rs.10
■宿泊:ザ オーチャ リゾート The Orchha Resort 約5000円(agoda)

■成田-ニューデリー航空券 直行便で60,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
 ニューデリーへはJAL、ANA、エアインディアなどの直行便が飛んでいます。
 私は今回、タイ航空を使い、デリーinコルカタoutの旅程をとりました。(特典航空券を含む。)
 タイ航空、シンガポール航空など、羽田を深夜に出る便から乗り継ぐと町中に日中に着くメリットもある。
 安いものでは、中国の北京、昆明など2カ所くらいを経由する便などもありますが、
 燃油サーチャージの分、経由便は燃油代がかさむので苦労する割に安くはならないです。
 私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。