大好きなニッポン、恥ずかしいニッポン 吉村克己
日本在住歴が長い外国人へのインタビューを元に構成された日本論。
大震災を経てどうにか変わろうとするのに参考になりえる鋭い意見もあります。
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この本のレビュー
日本在住歴が長い外国人で、どちらかというと日本を好意的に見ている人たちから日本の良い点、悪い点、へんだなぁと思う点を様々な体験を元に語ってもらい、
それを著者の意見を交えながら構成してある本。
東日本大震災を経て、多くの日本人が変わることを求められ、でも、今まで何となく生きてきて、
どう行動して良いかわからない。そんな時の発想を変えるヒントにもなりそうな感じです。
日本は言語も統一されているし、外国人の移民をあまり受け入れていないし、
外国人と共生して生きていくのが苦手な国民が多いのですが、
それでも日本への興味が尽きず、日本に止まった人たちの意見なので、
だいぶん日本の文化を理解しているし、それ以上に日本とは違う文化を知っているが故に
日本人が普段気にも留めないことに気が付いていることが興味深い。
苦言的な章は多少「ん?それは違うんじゃない?お宅の国はもっとひどいぞ」と思うようなこともあるけども、日本人だって日本の隅々まで知っているわけではないので、 まー、そんなもんなんだろなぁと。
そんな重箱の隅をつつくような指摘をするのではなく、素直に本の意図を汲んで読みたいところだ。
この本に書かれているギャップイヤーについては前から私もよいと思っていました。
高校から大学に行くにしても、ただ入るためだけに受験をしている子供が大半で、
明確な目標があって大学を選んでいる人ばかりではありません。
「やりたいことがないなら大学にいけ」と多くの親はいうけども、そのまま4年間、なんとなくで終わってしまい、やりたいことなんてわからないまま就活に突入ってことにもよくなる。
やっぱり、若いウチにいろんなことを経験して、自分がどう生きていくかを考えることは必要かなと。
勉強ばっかりしてきたのに、またすぐに勉強。
しかも大学からは自発的に学ぶのだ!と急に言われてもねぇ。
社会をいったん経験してから大学に入ると何を学びたいか明確な動機ができていいけど、
今の世の中は高卒の就職が厳しいのもあるし。
だからギャップイヤーって結構いいなと思います。
ギャップイヤーを経ることで学びたいことが変わってしまうことがあるかもしれないけれど。
今自分がいるその場所を一歩出るだけで、いろんな世界が見えてきます。
外国に留学するのでなくても、自分が全く住んだことのない地方に一時移住してもよい。
最近、日本人の留学生が減った!とメディアでは大騒ぎしていますが、
日本人が内向きになったという理由だけではなく、時間的、経済的余裕がないだけの場合もあると思う。
半年、1年のギャップイヤーがあればバイトして旅立つこともできますし、
ワーホリとかだって活用出来る。
日本の地方の農業や漁業に住み込みで手伝わせてもらうということもできるかも。
工場や農業、漁業の現場で外国人の研修生に頼っている日本の現状を身を以て知ることだってできる。
外国人留学生を多く受け入れている大学であれば、元々9月入学の制度があると思うので、
やりやすいかもしれませんね。(実際にすでに行っている大学があるそうです。)
話が逸れましたが、日本をべた褒めしてくれてこそばゆい意見から、
思わず耳を覆いたくなるきびしー意見もあり(でも著者の意見を挟んで柔らかくしてある)
日本や日本人としてのアイデンティティを考えるうえで参考になります。
タグ :
日本
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