旅はときどき奇妙な匂いがする [ 宮田珠己 ]
自費出版から旅行人作家デビューの後、作家活動を続けている著者。
基本がエッセイなので、立ち位置を模索し始めている様子。
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この本のレビュー
もとサラリーマンバックパッカーで、自費出版本を旅行人に送ってから、その独特の文体がうけ、旅行人のエッセイストとしてデビューした著者。
彼のユーモラスな文体が旅の様々なエピソードを膨らませ、
他人の旅のエピソードなのに充分読者を楽しませてくれていた。
旅に出ると自分の経験がひどく新鮮で面白くなり、文章が下手な人のエッセイを見ると、
「私の方がもっと面白い旅をしている」と思いがちなのですけども、
宮田氏は椎名誠氏に通ずる物があって、気の抜けた感じのエッセイがいい味で、
結構、好きで買っていました。
自分の旅の経験値が上がっていくと、人の旅のエッセイを読むよりも、
もっと政治経済歴史などに深く突っ込んだ本の方が面白くなってきてしまい、
旅行人もなくなった今、彼の文章とはとんとご無沙汰でした。
彼のようにサラリーマンを辞めて旅のエッセイを書きながら生活というのは、
旅行が好きな人であれば一度は憧れる物ですが、旅行好きは自分の旅は語りたいけど、
人の旅はそれほど興味が無い人が多いので、旅本はあまり売れません。
その上、宮田氏も年を取るにつれ、やっぱり旅への好奇心が薄れてきたようで、
これまでのおもしろおかしい旅を文章にまとめた本というわけではなくて、
ただ、旅に出て、それをそのまま綴ってしまったというのがこの本でした。
これは売れないだろうなぁと思う反面、彼と同じような軌跡をたどって来ているので、
ああ、わかるなぁというところも結構あった。
あれだけ仕事を辞めて長期旅行に出ることがあこがれだったのに、今はその気力がない。
仕事の合間にする趣味だったからこそ楽しかった面は絶対にあると思う。
無理矢理に人の行ってない場所を求めて旅をしなければ・・・っていう感じはわかるなぁ。
でも、年取ってくるとそれ、面倒くさくなるんですよ。
「どうしても行きたい!」っていう場所がなくって旅行計画立てるのがおっくうで、
だけども旅に出ると楽しいし、いろんな発見はあるんだけど。
果たして今後、作家宮田珠己はどんな方向に流れていくのかなぁと
しみじみと感じた本でした。
スットコランド日記とかを読んだときはスコットランドに住んでるのかと勘違いしましたけど(笑)
(読んでみたら日本だって言うことがわかりましたが。)
日本全国津々うりゃうりゃ シリーズも
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こちらの2冊もなんとなく行き詰まった感じがする作品であった。
普通に日本の行きたかったところを旅しているエッセイ集です。
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