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ネワール文化の趣残るバンディプルだが、ゴミの多さに辟易。

土産物製作をする人
【土産物製作をする人。新しい容器を黒く塗って古めかしくする演出中】
アンナプルナの山の上、ジョムソンからポカラへ飛び、ポカラで所用をすませるとバスターミナルへ向かった。
なんだか変にあか抜けたポカラには何の魅力も感じず、これ以上滞在しても仕方がない気がしたし、
それ以上に、この時期のポカラはとっても暑いのである。
湖畔の町といえば避暑地とか、のんびりと自然を満喫できる場所を想像するが、ポカラは暑く、人も多い。
どちらかというとのんびりするより、ここを拠点に出かける場所なので、すでに山へ行った身では滞在理由がなかった。

町を散策しながらローカルバス乗り場を探しだし、次なる目的地バンディプルへ向かう。
バンディプルはポカラとカトマンズの間に位置するかつての宿場町である。
インドとチベットを結ぶ交易路の要衝の一つとして発展したネワール族の町である。
一言で言うと「なんでまたこんなところに・・・」という山の上の便利とは言い難い場所にあり、
それ故か、麓にカトマンズとポカラを結ぶ自動車道ができてから一気に廃れたらしい。

その変わり、古いネワール式の趣ある邸宅が残ったし、また山の上だからこそヒマラヤを見渡せる絶景があり、
今ではこの田舎の小さな町に観光客がわざわざ立ち寄るようになったともいえる。

バンディプルの町並み
バンディプルの町並み
ポカラからプリティビィ・ハイウェイをカトマンズ方面へ走ること2時間。
麓のドゥンチェに到着した。ここからバスを乗り換えてバンディプルに向かう。
ちなみにこのバンディプル行きのバスは満席になり次第出発するので、
運が悪いとバスの中で1時間ちかく待たされることになる。
私は幸い、行きも帰りも満席近くなった頃にバス乗り場に着いたので、
10分程度の待ち時間で行き来することができた。

バンディプルはバクダプルから逃れてきたネワール族が作った町である。
通りに面し隙間なく古い邸宅が並び、宿場町の雰囲気を色濃く残している。
1階が商店やレストラン、2階以上が住居等になっており、その住居の一部の
部屋を旅人に提供している。
殆ど民泊という感じで、トイレやシャワーもオーナー家族と共同。
通りの北側の宿なら、季節が良ければヒマラヤの絶景が部屋から眺められます。
(残念ながら、山など全くみれませんでしたけどね。)

バンディプルの子供たち
子供たちの通学風景。
ところでバンディプルに来て辟易したのはゴミでした。
トゥンディケル広場はヒマラヤ山脈の眺望が素晴らしいと評判の広場だ。
季節が良ければ「うわ~、すごーい」と観光客が駆け寄るであろう場所で、
顔を下に向ければゴミの山である。
ペットボトル、瓶、お菓子の袋などがギッシリと埋め尽くされており、
ゴミ捨て場かと見まがうほどだ。

最近は日本でもポイ捨てが増えて、町が汚れていることにうんざりするのだが、
正直、あまりにレベルが違いすぎた。
日本ではゴミを捨てるマナーの悪い人もいる一方、ゴミを拾う人もいる。
一方のネパールは、ゴミをむやみに捨てるひとをよく見かけた。

ネワール式のお屋敷の鍵
ネワール風屋敷の鍵
かつてインドを旅したとき、列車で乗り合わせたインド人家族に
「ゴミは窓の外に捨てろ。ここはインドだからインドのやり方でいい。」
と言われたことがある。
躊躇する私からゴミを奪い、窓の外に捨てられたのだが、
なんとも複雑な心境になったものだ。

その昔のインドでは、お茶を飲むのも土をこねて作った陶器の器で、 スナックを入れるお皿は葉っぱで作っていた。
いずれも基本的に捨ててもそのうち土に返る素材でできていたのである。
そして、職業カーストとして掃除を生業にしている人もいるので、
「ゴミがなければその人たちの仕事がなくなる」なんていうもっともらしいことを言う人もいた。
確かに朝早く町を歩いていると自治体に雇われた労働者が町を掃除しているのを見かけるし、
観光客が訪れるような町であればそれほどゴミがあふれかえっている印象はなかった。

ネパールにもヒンドゥ教徒が多いし、習慣などはインドと似たところがあるのかもしれないし、
それ以上に、中国とインドという大国の発展に巻き込まれ、物資も人も大量に流れ込んだことで、
ネパール本来のキャパシティを超えてしまった感じがした。
ネパールに入る物や人の増加に、制度もインフラも追いついてない気がする。

アンナプルナのジョムソンの宿の壁に「山を大切にしましょう」的なことが書かれた張り紙があった。

もしあなたがゴミを山に放置した場合、紙は1年、たばこは10年、缶は100年残ります

・・・これ山の上より、山の麓で啓蒙活動すべきではなかろうか。

バンディプルでは宿の裏に旅行者たちが飲み干した大量のビール瓶が山積みだった。
ネワール人だってお酒は呑むけど、自宅で作った手作りの酒が中心だろう。
きっとこれまでの生活ではあんなに空き瓶が出ることなど、なかったんだろうなぁ。

人が行き交うところはとにかくゴミだらけ。
自分もゴミを出した張本人の一人だが、なんともいたたまれない気持ちになったバンディプル滞在でした。

バンディプル 写真館

バンディプルで食べたものいろいろ

クワティー 豆と干飯のスープ
ちょっとお高いホテルのレストランではお抱えシェフの作る料理が食べれるようですが、あとはほとんど宿のお母ちゃんの家庭料理です。ネワール族が暮らす町なのでネワール料理がおいしい。(チベット料理とかはチベットレストランで食べた方が・・・。)
一番おいしかったのが、クワティーというスープです。本来は宗教行事の時に作る豆のスープですが、簡単に干し飯で作ってありました。 パンチャマリットもヒンドゥの行事の料理。
パコラアルー・ジーラ 水牛肉入り炒飯ははずさないうまさでした。
パンチャマリット オニオンパコラ タマネギの天ぷら アルー・ジーラ じゃがいものクミン和え バフ・フライドライス 水牛肉入り炒飯

KHADGAMAI ゲストハウス Rs. 500

バンディプル 3 tel:065-520153
バンディプルの宿の部屋
バンディプルの宿の外観
バンディプルの町の入り口にある洋館を使ったゲストハウス。完全に民家の部屋を間借りするスタイルで、トイレもシャワーも家族と共用。これはバンディプルのほかの宿も同様。
建物が半分ずつに分かれていてそれぞれ別の家族が住んでおり、経営も別。私が泊まったのは右側の家。ベッドが3つの広い部屋しか空いてなかったので宿泊料は少し高めだったが、広い分、窓も二つあるし、明るくて風が気持ちがよかった。
ただ、バンディプルは水と電気の供給が今ひとつのようで、貯めておいた水がなくなるとシャワーが使えなくなりました。トイレの水も桶の水を大事に使わねばなりません。
町は尾根沿いにありますけど、水は標高の低いところからポンプでくんでいたのではないかと推測します。(事実、空のバケツを渡されて、自分でくんでこいと言われた人もいた。)
ネパールの昔の宿場町の雰囲気を味わえますし、日本がいかに水に恵まれてるかと実感もできます。が、連泊はきつい。洗濯物できないし。

▼ ネパールに行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2013年4月~5月
1Rs.=約1.2円

■交通:バス ポカラ-ドゥンチェ 175ルピー、ドゥンチェ-バンディプル 50ルピー
■食事:アルジーラ 70ルピー、オニオンパコラ 100ルピー、クワティー 90ルピー、 ゴルカビール220ルピー
■その他:水 25ルピー/L
■宿泊:KHADGAMAI ゲストハウス Rs.500

■羽田-カトマンズ航空券 経由便のみ。燃油サーチャージ込みで100,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)

カトマンズ行きは以前は日本からの直行便がありましたが、現在はなし。ソウル、バンコク、マレーシア、シンガポール、デリーなどを経由して行くことになります。経由地や乗り継ぎ時間、お好みでどうぞ。
安さだけを求めると乗り継ぎ時間が長かったりするので、いっそのこと経由地でトランジットやストップオーバーして、 経由地も楽しむ方法もあります。バンコク、シンガポールは空港から町まで列車ですぐですよ。

私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。


旅程を立てるために参考にした本

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