都市開発でせわしなくなったカトマンズ。これからどう変わるのかな。
【カトマンズ郊外にあるヒマラヤそば処の天ざる定食】
10年前に来たときはポカラとカトマンズを大型バスで往復したが、憶えているのは休憩したドライブインだけ。
「あれ~、こんなに峠を上り下りしたっけかなぁ?」と車窓からみえる山の景色を見つめた。
おそらく、あのころは仕事が超忙しかったので、バスの中ではほとんど眠りこけていたのだと推測する。
10年前と明らかに違うのは車やトラックの数。
カトマンズが近づくに連れ、道を阻む大型トラックがどんどん増えていき、市内に入る頃には渋滞に巻き込まれた。
山がちな国の小さな首都でしかなかった町が、急激な開発の波にのまれ、あちこちに歪みが生まれているようだ。
その第一が交通渋滞であり、排気ガスによる空気汚染であり、乱開発に伴う砂埃である。
町は中心から同心円上に徐々に広がっているようで、バスターミナルは町はずれにできていた。
地図である程度、現在地の目星が着いたところでバスを降り、歩いて宿に向かった。
タメルの商店街
バンコクのカオサンの様な場所で、旅行者が必要とするあらゆる物が手に入る。
この地域には個人が経営する比較的リーズナブルな宿も集まっているため
特に事前に予約をしなくても、寝床は確保できる。
しかし、ポカラの変わりようにも驚いたが、タメルも記憶の中にあるのんびりした雰囲気はなく、 クラクションを鳴らしながら通りを突き抜けていくタクシーにうんざりして、 なるべく路地の奥にある静かな宿にチェックイン。
周りが宿だらけのせいもあり割引に応じてくれたが、全体的に宿代が上がっていた。
たぶんアカシュ・バイラウ寺院
ネワール式っぽい雰囲気の良い木造建築は少しずつ取り壊されている感じ。
世界遺産に登録された広場の周辺だけ綺麗に整備され、入るのにお金を取る。
・・・なんか、もういいかな。ここは。っていう印象だった。
カトマンズ周辺のいわゆる観光名所は一通り行っており、再訪する意思もなし。
記憶にあるのは、世界遺産に登録したてでやたらに高額な入場料を徴収されたことくらいで、 あんまりいい印象が残ってないのである。
だからお土産を物色し、美味しい物を食べ歩いて、カトマンズの滞在を終えた。
綺麗に手入れされた庭を持つ
ホテル内にあるヒマラヤそば処
長野県の戸隠村で修行したネパール人が打ったという日本そばは本格的な手打ちそばで、 外国であの味をあの値段で食べられることは感動的だった。
最も驚いたのは天ぷらの揚げ方。
外国人が作ると天ぷらがかりかりのフリッターに成り代わることが多いんだけども、 ふんわり、さっくりとした衣をまとった天ぷらをかじりながらそばをすすっていると、 ネパールにいることを忘れてしまいそうだった。
日本そばを堪能し、レストランから出たところで、タクシーを拾って郊外のショッピングセンターに向かった。
郊外のそば屋から郊外のショッピングセンターへの道なので、渋滞することもなくスムーズに走っていく。
15分ほどで目的地に着くと、メーターは216ルピーと表示していた。
220ルピーを差し出し、釣りを要求せずにそのまま降りると、運転手はうれしそうに顔をほころばせていた。
翌日、宿で手配したタクシーは400ルピーだった。
そば屋からのったタクシーと距離はそれほど変わらないのに、殆ど倍の値段である。
カトマンズのタクシーは基本的にメータータクシーなのに、なぜか空港行きだけは交渉性になる。
その上、宿の手配料が加わるため、まあ400ルピーは妥当なところなんだろう。
きっとタメルは土地代が高いだろうし、建築費もローンかもしれない。
停電や断水が頻繁なネパールで、不自由なく泊まれる裏にはそれなりのランニングコストがかかっている。
きっとたったの4ルピーでちょっとうれしい臨時収入と感じるのが、ネパール庶民の金銭感覚で、
外国人相手の観光業でやりとりされる金額は法外なのだろうと思う。
だから、観光業で一儲けしようともくろむ人々がタメルに集まり、旅行代理店や土産物、宿屋がひしめいていて、
しかし、どう考えてもお互いにお客を取り合っていて、儲かっているようには見えない。
知人が言うにはカトマンズにモノレールを造る計画まで浮上しているようで、確かに渋滞は解消できるけど、
あの、それを動かす電気はどうするのよ・・・。
10年前は旅から帰った直後に王族暗殺事件が起こり、その後、この国は王政が廃止されたが、
民家の壁には今でも王様と王妃様の肖像画が掲げてあり、王室が人々に尊敬されていたことが伺えた。
この国の政治のあり方が変わったり、南北の両大国の急成長で様々なものが流れこんだのも見て取れた。
ゆったりとしたヒマラヤの王国はこの10年で本当にめまぐるしく変わったようで、 そのことを目の当たりにした旅だった。
アジアの中でも貧しい国の一つであるネパールはその貧しさからはい上がろうと様々な変革を見せているが、
一方で、周りの大国にいいように利用されているとしか思えないところもあって、何とも複雑な心境であった。
いち旅行者であり、傍観者としては、とりあえず、今後のネパールはネパール人が決めることだと認識しつつ、
ともかくアンナプルナと中国の国境がつながる前に、近いうちにもう一度だけ来ようと心に誓い、
今回の旅は幕を閉じたのでした。
カトマンズ 写真館
カトマンズで食べたものいろいろ
カトマンズは国際線の飛行機が乗り入れる首都でもあるため、ネパール料理、チベット料理に限らず、世界各国の料理が食べられます。そばを食べたのもそんな事情もありましたが、メインはやっぱりネパールの味です。
最後の晩に観光客向けのネワール料理店に行ったら、GWの最終日とあって日本人だらけだったけど、 中にはチベット人ぽい人たちがお坊さんを囲んで食事会をしておられました。 世界中に散っているチベット人が法話を聞くために集まって来てたのかも。
ネパール風の串焼きセクワや豆粉のおこのみ焼きマス・コ・バラはネワール料理屋。 タントゥク、シャクパ、ドラゴンポテトはチベット料理屋で。ドラゴンポテトはどう考えてもインド中華です。
最後の晩に観光客向けのネワール料理店に行ったら、GWの最終日とあって日本人だらけだったけど、 中にはチベット人ぽい人たちがお坊さんを囲んで食事会をしておられました。 世界中に散っているチベット人が法話を聞くために集まって来てたのかも。
ネパール風の串焼きセクワや豆粉のおこのみ焼きマス・コ・バラはネワール料理屋。 タントゥク、シャクパ、ドラゴンポテトはチベット料理屋で。ドラゴンポテトはどう考えてもインド中華です。
カトマンズの宿インペリアルホテル 12$~(外税)
Thamel, Bahadur Bhawan, Kathmandu tel:01-4249339
カトマンズのタメル地区の東にある格安ホテル。メイン通りから路地を入った先にあり、裏がお寺なので静かに滞在できる。
地球の歩き方に載っているので日本人滞在者がおおい。
シャワーからはお湯が出るし、停電対策もばっちり。停電の時でも最低1つの室内灯がつくように配線してあったのはあっぱれ。(つまりカトマンズが毎日停電するってことに他なりませんが。)
欲を言えば屋上庭園とかベランダとかがあるのにレストランがないことかな。 チャイくらいは頼めたかもしれないけど。
地球の歩き方に載っているので日本人滞在者がおおい。
シャワーからはお湯が出るし、停電対策もばっちり。停電の時でも最低1つの室内灯がつくように配線してあったのはあっぱれ。(つまりカトマンズが毎日停電するってことに他なりませんが。)
欲を言えば屋上庭園とかベランダとかがあるのにレストランがないことかな。 チャイくらいは頼めたかもしれないけど。
▼ ネパールに行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2013年4月~5月
1Rs.=約1.2円
1Rs.=約1.2円
■交通:タクシー 5km弱 216ルピー
■食事:タントゥク、パニールパコダ、ドラゴンポテト 870ルピー、ざるそば 400ルピー、天ざる 550ルピー
■宿泊:インペリアル 12$、洗濯 190ルピー、空港タクシー 400ルピー
■羽田-カトマンズ航空券 経由便のみ。燃油サーチャージ込みで100,000円前後~。(参考:海外格安航空券の検索・予約 YAZIKITA)
カトマンズ行きは以前は日本からの直行便がありましたが、現在はなし。ソウル、バンコク、マレーシア、シンガポール、デリーなどを経由して行くことになります。経由地や乗り継ぎ時間、お好みでどうぞ。
安さだけを求めると乗り継ぎ時間が長かったりするので、いっそのこと経由地でトランジットやストップオーバーして、 経由地も楽しむ方法もあります。バンコク、シンガポールは空港から町まで列車ですぐですよ。
私はエイビーロードで金額をざっくり把握、アタリをを付け、個別の代理店に問い合わせます。
旅程を立てるために参考にした本
地球の歩き方編集室 編 ダイヤモンド社 2011-07-09
出版されたのが2年前ということは取材はさらに1年くらい前ということで、地域によっては参考程度にしかならなかったが、 宿探しの時間節約などには活用できた。TIMSなどの許可証情報は旅行代理店のHPが一番役に立った。
アンナプルナの各村の説明などはほぼないので、チベット―中国・ネパール・インド・ブータン (旅行人ノート)の該当ページをコピーして持っていった。
カトマンズ周辺の世界遺産などにしか行かない場合はそれなりに使えるとは思う。
出版されたのが2年前ということは取材はさらに1年くらい前ということで、地域によっては参考程度にしかならなかったが、 宿探しの時間節約などには活用できた。TIMSなどの許可証情報は旅行代理店のHPが一番役に立った。
アンナプルナの各村の説明などはほぼないので、チベット―中国・ネパール・インド・ブータン (旅行人ノート)の該当ページをコピーして持っていった。
カトマンズ周辺の世界遺産などにしか行かない場合はそれなりに使えるとは思う。
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