ビルマ商人の日本訪問記 ウ・フラ
1936年にビルマ人青年実業家が日本を旅した時の様子を綴った旅行記。
我々が想像する穏やかなミャンマー人像とはだいぶズレがある骨のある青年の印象。
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この本のレビュー
1936年にビルマ人青年実業家が日本を旅した時の様子を綴った旅行記。血気盛んな若者だからかもしれないが、日本人のことを「チビ」と形容したり、
いちいちトゲがある文章が鼻につくが、なかなかもって鋭く世界を見る目がある人だ。
当時のミャンマーはイギリスに支配され、イギリス人が連れてきたインド人が
イギリス人の命令でミャンマーを牛耳っていた時代であり、
その状況を苦虫かみつぶしながら我慢していたんだろうというのがアリアリとわかる。
そして、ミャンマーはこのままではいかん!という台詞がたびたび出てきます。
ただ通訳を連れての旅だったとはいえ、たったの1ヶ月、日本をよく知らない人が
日本を旅した旅行記なので、日本の習慣などの解釈は間違っている箇所も多い。
これがミャンマーの新聞で連載されてしまったかと思うと、訂正したくもなる。
(紀行文については個人の思いなので、どっちでもいいのだが。)
例えば、日本語の敬称は「さん」しかないのが物足りないとか。
いえ、そんなことはないだろう・・・と日本人ならつっこみたいところが結構出てきます。
しかし、当初「チビ」だのなんだのといっていた割りに、冷静によいところもほめてくれもする。
最後の方になるとあまりトゲトゲした書き方がなくなっているように思えます。
そういう意味では彼がにほんで出会った日本人がよい印象を与えたのでしょうね。
また古き良き日本の情景が丁寧に描かれているので、その時代を知らない世代としては、
想像するのもまた楽しく、なかなか面白く読めた。
たまにはこういう昔の旅行記を読むのも面白いものです。
タグ :
ミャンマー
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