メモリークエスト 高野秀行
旅行ライターの高野氏が他人の思いでの人を捜し出す旅に出る。
企画自体はおもしろいが、内容がどうも消化不良だった。
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この本のレビュー
「探索のプロ」を自任する著者は、縁もゆかりもない赤の他人のために旅にでる。と、この本の存在を知ったとき、おもしろそう!とすぐに探してよんだんですが、
正直言うと期待しすぎて期待はずれだった。
というのもまず、著者がマイナーな作家なせいか、依頼自体が少なかったようで、
どうもいまいちその依頼がそそられないないような物が多い。
加えて、作者が依頼内容を「おもしろい!」っていうんだけども、
なんかあまり私はおもしろく感じなくて、なんで~?と感情移入ができない。
さらにさらにその探索自体が非常にあっさりしているというか、
すごいドラマが生まれていることはまれというか、
一番ちゃんとしたドラマだったのは他人のメモリーではなくって、
著者自身のメモリーだったり、担当編集者の奥さんのメモリーだったりで、
がっくり度が非常に大きかった。
もっと大々的に依頼を集められれば、もっとおもしろいドラマが 生まれたのではないかなぁという感じで。
ただ、依頼内容や探索内容ではなくて、個人的に知らない地域のことや、
知らなかった知識を得ることができたのもあるのでそれはそれでよしという。
たとえば、タイの山岳地帯には興味がなかったので知らなかったんだけど、
あのあたりって国民党の兵士が入り込んでいた地域だったんですね。
台湾とそのあたりの地域のつながりなどは知らなかったので、
へぇ~、と新たな興味をもつきっかけにはなった。
でも、メモリークエストで、ほとんどがあっさりと探し人が見つかっていて、
探すことに関するドラマが少ないかなぁと言う感じです。
一番のドラマは著者自身の知人を捜し当てたところという感じでした。
他人のメモリーではないぶんこれは感情移入の仕方もちがって、
文章にもおもしろみが増したところもあると思う。
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