本当にでたインドの痴漢はネパール人旅行者とインド人ドライバー。
マナリまでは夜行のツーリストバスを利用した。
出発当日に購入したにも関わらずあっさりとチケットが取れたものだから、 「もしかして、席がら空き?」と淡い期待を抱いていたが、そんな期待は見事にうち砕かれ満席だった。
このツーリストバスの座席は指定席である。ワタシのチケットは青年Aと連番。つまり、隣の席だ。
「ああ、ストレスたまりそー。」
などという気持ちは心の奥底にしまっておいて、仲良く?Aと並んで座っていた私。
無理矢理に話題を作りつつ、何となく会話らしきモノを交わしていたところで、ふと車掌がやってきて斜め前の席を指さしてなにか言った。 なんかその指さしている席に座れと言っているみたい。
車掌の言うことだから深く考えずに素直に移動すると、隣の席には男が座っていた。
席替えで隣となった男はネパール人。ネパールのポカラに住んでいるが、今回は休暇でマナリにやってきたという。
ポカラって山なのに、インドに来てまでわざわざ山に行くんだなぁと、どうでもいいことを考えたりしていた。
私はネパールの知識も興味もさほどないので、テキトウに相づちをうっていた。
マナリまでの道はそこそこ整備されていて、意外と快調に突っ走る。
2、3時間おきに休憩を挟みながら、ひたすらマナリに向けて走っていた。
日もとっぷりと暮れ、夕食休憩も終わった頃、まわりの人々の寝息が聞こえ始めた。
座り心地が良くないためにどうも熟睡できそうにないが、とにかく私も寝に入らねばならない。
しかし、である。
先ほどから妙に気になるのだが、隣のネパリってばやけに私の方に体を寄せてないか?
腕がぐいぐい押し迫っている様に感じるが・・・。
いやいやいや、でもこのバス狭いし、ネパリってば結構太め君だし、私の気のせいかもしれない。
スリムな人の隣になれなかったのは運が悪かったって事かもしれぬ。
すると、である。
私の腕に腕を押しつけるカタチでピッタリとくっついていたネパリだったが、その左腕が少しずつ、
少しずつ私の腕に重なり始めるんである。
う。これはヤツの寝相が悪いってことだろうか?
そして、さらにである。
ヤツの左手は私の腕をつーーっとなぞり始め、そしておもむろにぎゅーーっと私の手を握る。
うわぁ。これってなに?
今思えばここで手をふりほどけば良かったのかもしれないが、このまま寝たフリをして彼の行動を見守ってしまった。
その後どうなったかと言えば、彼の鼻息はだんだんと荒くなり、その不規則な呼吸のリズムに合わせるように私の手をさらにぎゅっ、ぎゅっと握る。 すっかり興奮状態。もはや誰にも止められないー。
もう我慢の限界?となったのか、ネパリはぎゅーっと握っていた手を離した。ヤツの手は私の太股をつーーっと伝いはじめたような。
さすがにやばいと感じ、太股をまさぐろうとしている彼の手を取り、さっと彼の膝の上に押し戻す。
はっと我に返ったのかどうかは知らないが、抵抗する事もなく、落ち着いたネパリ。
しかし、それも10分くらいしか持たず、またもや手をぎゅーっと握り始める。ははは。
結局のところ、ネパリが握り、さわり、鼻息を荒くしたところで、私が制するという行動が何回か繰り返された。
それ以上は何もなかったし、私も眠かったので、事を荒立てるような真似はしなかったけど。
初インド旅行のドライバー、パプーの様にヤツの股間を無理矢理触らせたりなんてことにはならなくて良かった。
よくよく考えてみたのだが、もともと私は青年Aの隣だったのに、何故か席をチェンジさせられたワケで (始発から乗ったのは私とAとネパリの3人だけだった)、そういえばネパリは車掌とこちょこちょ話していて、なかなか乗り込まなかったし・・・。
ちょっと自意識過剰ですが、"車掌に金を握らせて席を変えて貰ったりしたのかなぁ?"なんて思ったりもする。
あとでインド人の女性を観察してみると、ほとんど旦那や父親、兄弟と共に行動しており、1人でバスや電車に乗っている人は稀。 ひとり旅の人がいたとしても、旦那が電車の中まで見送りに来て、しっかりとまわりを権勢していた。
だから、私のように一人旅だとどうしても隣は男性になってしまう。今回の様に席替えがなくてもそうなる。
女ひとりってシチュエーションが滅多に無いんだもの。
インドでは、バスや列車で痴漢が出るって聞いたけど、そういうことなんだなぁ。
一応考えた上で、次にバスに乗る機会にはちょっと違うことを試みたのですが、やっぱりいろいろ問題があった。
やってきたバスの席はすでに半分以上が人で埋まっていた。
ドライバーは20歳前後の青年。コンダクターに至っては9歳の少年である。
少年は窓から上半身を乗り出し「チョロ、チョロ」とターミナルの中にバスを誘導している。
「何処の席に座る?後ろ?それとも前?」
「まえー!!」
一瞬たりとも迷うことなく、きっぱりと答えた私。
だって、コンダクター席に座る人を見ていて、ずっと座りたいと思っていたんだもん!
私は早々にコンダクター席の一番端っこ、運転席から一番離れたところをとった。
自分のザックに寄りかかり、靴を脱いで足を投げ出せば快適そのもの。
後ろのせまーい座席を思えばここは天国と言っても過言ではない。
ミニバスの内部図解
運転席はこんな感じ
私の隣には中学生の少年がいた。その隣に中年のおじさん。
少年はマナリから30㎞ほど下った小さな町のおじさんの家を尋ねるという。
まだ英語は勉強中らしく、必至に考えながら話しかけてくる。 必ず、「She is ~?」と私に問いかけるので、なんだかナンパされているみたいである。 「かーのじょぉー」って。
ドライバーはとても若いが敬虔なヒンズー教徒の様だ。 途中の寺院で車を止め、1人、ささっと旅の無事をお祈りする。
「誰が祀ってあるの?」「シヴァ」
そして、寺院で貰った何かの実をコンダクター席にいる面々にお裾分けしてくれた。
コンダクター席は、ドライバーと話をしたり、少年にリンゴを貰ったり、神様の食べ物を貰ったり、後ろでは体験できない面白席であった。
一番前なので見晴らしがいいっていうのが座ってみたかった理由の一つでもあるし。
しかし、楽しい席のだが、実はエンジンの真上なので、ちょーー暑い。道はいいので揺れは問題なかったがとにかく暑い。
3時間後、隣の少年が降りた。他にも途中下車した人がいたため、おっさんは空いた後ろの席に移っていた。
そして、一仕事終えたコンダクターくんが、私の隣の席に戻ってくる。
その途端、突然、ドライバーは私のことをくどき始めた。
「シムラでは俺と一緒に過ごさないか?」
やだっつーの。なんで君と一緒に過ごすんだ。
「コンダクターの事は気にしないでいいよ。こいつは英語わからないからさぁ」
そういう問題ではありません。
コンダクター席に興味があったのは事実だが、それ以上に行きのバスでの経験から一般客席を避けてみたのだ。
だって、隣にインド男が座るのは必至。通路側になった日には両側男である。
勿論、インド男全員が痴漢な訳ないが、可能性を最小限に押さえてみようと自分の女の部分がぴぴと瞬時に反応した。
だって、コンダクターは少年だし、大丈夫そうでしょ?
とはいえ、ドライバーも若い男だってことを忘れていたのは迂闊だった。
今となっては笑いの種だが、ちょっと(かなり)軽率だったらしい。
コンダクター君はお子さまなため、夜中にはすっかり熟睡してしまった。
そして、この空間はちょうどエンジンの上なのでとても暑いのだけど、なぜかドライバーは窓をぴっちり閉める。
「この暑いのになんでまた・・・」と思っていたが、実は私が着ている服を脱ぐのを待っていたらしい。
北風と太陽かよ(^^;;
私は旅の時、どんなに暑い国でも絶対に長袖シャツを羽織っている。
特にインドなどでは体の線が出ないように気遣っている。
そのためその下は必ずタンクトップなど袖のない服を着て少しでも暑さをしのぐことにしている。
だからどんな状況であろうと公衆の面前ではシャツを脱がない。
インド男の前で少しでも脱いでしまったらどうなるか、以前のインド旅行で学習済みなのである。
「寝るときは、足を窓の方に投げ出していいよ。そうすると楽だよ」
ドライバーには、何度も何度もこの台詞を言われ続けた。
私は自分のザックに寄りかかり、座席の上で胡座をかいたり、体育座りをしたりしていた。
足を投げ出し、がーーッと熟睡してしまえば、体はとても無防備な状態になる。
彼はその瞬間を待ち望んでいたらしい。そのときはちーっとも気づかなかったけど(笑)
とても熟睡できるような状況ではないが、なんだかんだといって眠気が襲ってきた。
窓にもたれかかり、うとうととし始めるワタシ。
すると、なんか変な感触があり、はっと目が覚める。
その瞬間に自分の右斜め前を黒い影がさっと走るのが見える。
「????なんなの?」と思いつつ、またちょっとうとうとし始める。
しかし、今度は先ほどよりもさらに眠りが浅かった。変な感触と共に我に返る。
・・・もしかして、これは・・・痴漢行為?
ちょうど道はまっすぐな上り坂だった。ここでドライバーは思いっきりアクセルをふかした。
バスはちょっと加速ししばらくの間、惰性で上っていきそうである。
そこで彼は右手でハンドルを固定し、素早く左足を大きく私の方へ踏み出した。
必死に左手を伸ばし触ろうとしているのである。
コンダクターは熟睡してるし、チャンスは今しかない!
でも、所詮、彼は運転中でゆっくり触ることもできない。目測も誤る。
そんでもって私は目を覚ましてしまい、せっかくのチャンスをフイにしたらしい。
しかし、このせいで彼が運転を誤った場合、私の立場は一体どうなったのだろうか?
ちなみに、このコンダクター席は女性は一番乗ってはいけない場所だそうである。
ましてやお金を払って乗る場所ではないと、後でインド人にあきれ顔で言われてしまった。
座席に座れば隣の男に触られるし、コンダクター席だったらドライバーが痴漢である。
教訓としては、女一人で旅するならば、途中で連れを見つける。 倍のお金を払って座席を二つ確保する。 昼間は極力移動しない。
後は、触られたら欧米人女性のように烈火の如く怒り狂う! やっぱ一番大事なのは最後の「怒る」ってことかもなぁ。
出発当日に購入したにも関わらずあっさりとチケットが取れたものだから、 「もしかして、席がら空き?」と淡い期待を抱いていたが、そんな期待は見事にうち砕かれ満席だった。
このツーリストバスの座席は指定席である。ワタシのチケットは青年Aと連番。つまり、隣の席だ。
「ああ、ストレスたまりそー。」
などという気持ちは心の奥底にしまっておいて、仲良く?Aと並んで座っていた私。
無理矢理に話題を作りつつ、何となく会話らしきモノを交わしていたところで、ふと車掌がやってきて斜め前の席を指さしてなにか言った。 なんかその指さしている席に座れと言っているみたい。
車掌の言うことだから深く考えずに素直に移動すると、隣の席には男が座っていた。
席替えで隣となった男はネパール人。ネパールのポカラに住んでいるが、今回は休暇でマナリにやってきたという。
ポカラって山なのに、インドに来てまでわざわざ山に行くんだなぁと、どうでもいいことを考えたりしていた。
私はネパールの知識も興味もさほどないので、テキトウに相づちをうっていた。
マナリまでの道はそこそこ整備されていて、意外と快調に突っ走る。
2、3時間おきに休憩を挟みながら、ひたすらマナリに向けて走っていた。
日もとっぷりと暮れ、夕食休憩も終わった頃、まわりの人々の寝息が聞こえ始めた。
座り心地が良くないためにどうも熟睡できそうにないが、とにかく私も寝に入らねばならない。
しかし、である。
先ほどから妙に気になるのだが、隣のネパリってばやけに私の方に体を寄せてないか?
腕がぐいぐい押し迫っている様に感じるが・・・。
いやいやいや、でもこのバス狭いし、ネパリってば結構太め君だし、私の気のせいかもしれない。
スリムな人の隣になれなかったのは運が悪かったって事かもしれぬ。
すると、である。
私の腕に腕を押しつけるカタチでピッタリとくっついていたネパリだったが、その左腕が少しずつ、
少しずつ私の腕に重なり始めるんである。
う。これはヤツの寝相が悪いってことだろうか?
そして、さらにである。
ヤツの左手は私の腕をつーーっとなぞり始め、そしておもむろにぎゅーーっと私の手を握る。
うわぁ。これってなに?
今思えばここで手をふりほどけば良かったのかもしれないが、このまま寝たフリをして彼の行動を見守ってしまった。
その後どうなったかと言えば、彼の鼻息はだんだんと荒くなり、その不規則な呼吸のリズムに合わせるように私の手をさらにぎゅっ、ぎゅっと握る。 すっかり興奮状態。もはや誰にも止められないー。
もう我慢の限界?となったのか、ネパリはぎゅーっと握っていた手を離した。ヤツの手は私の太股をつーーっと伝いはじめたような。
さすがにやばいと感じ、太股をまさぐろうとしている彼の手を取り、さっと彼の膝の上に押し戻す。
はっと我に返ったのかどうかは知らないが、抵抗する事もなく、落ち着いたネパリ。
しかし、それも10分くらいしか持たず、またもや手をぎゅーっと握り始める。ははは。
結局のところ、ネパリが握り、さわり、鼻息を荒くしたところで、私が制するという行動が何回か繰り返された。
それ以上は何もなかったし、私も眠かったので、事を荒立てるような真似はしなかったけど。
初インド旅行のドライバー、パプーの様にヤツの股間を無理矢理触らせたりなんてことにはならなくて良かった。
よくよく考えてみたのだが、もともと私は青年Aの隣だったのに、何故か席をチェンジさせられたワケで (始発から乗ったのは私とAとネパリの3人だけだった)、そういえばネパリは車掌とこちょこちょ話していて、なかなか乗り込まなかったし・・・。
ちょっと自意識過剰ですが、"車掌に金を握らせて席を変えて貰ったりしたのかなぁ?"なんて思ったりもする。
あとでインド人の女性を観察してみると、ほとんど旦那や父親、兄弟と共に行動しており、1人でバスや電車に乗っている人は稀。 ひとり旅の人がいたとしても、旦那が電車の中まで見送りに来て、しっかりとまわりを権勢していた。
だから、私のように一人旅だとどうしても隣は男性になってしまう。今回の様に席替えがなくてもそうなる。
女ひとりってシチュエーションが滅多に無いんだもの。
インドでは、バスや列車で痴漢が出るって聞いたけど、そういうことなんだなぁ。
一応考えた上で、次にバスに乗る機会にはちょっと違うことを試みたのですが、やっぱりいろいろ問題があった。
さらにインドの痴漢の話。今度はインド人
マナリからの帰路は、デリーではなくシムラ行きのミニバスのチケットを購入した。やってきたバスの席はすでに半分以上が人で埋まっていた。
ドライバーは20歳前後の青年。コンダクターに至っては9歳の少年である。
少年は窓から上半身を乗り出し「チョロ、チョロ」とターミナルの中にバスを誘導している。
「何処の席に座る?後ろ?それとも前?」
「まえー!!」
一瞬たりとも迷うことなく、きっぱりと答えた私。
だって、コンダクター席に座る人を見ていて、ずっと座りたいと思っていたんだもん!
私は早々にコンダクター席の一番端っこ、運転席から一番離れたところをとった。
自分のザックに寄りかかり、靴を脱いで足を投げ出せば快適そのもの。
後ろのせまーい座席を思えばここは天国と言っても過言ではない。
ミニバスの内部図解
運転席はこんな感じ
まだ英語は勉強中らしく、必至に考えながら話しかけてくる。 必ず、「She is ~?」と私に問いかけるので、なんだかナンパされているみたいである。 「かーのじょぉー」って。
ドライバーはとても若いが敬虔なヒンズー教徒の様だ。 途中の寺院で車を止め、1人、ささっと旅の無事をお祈りする。
「誰が祀ってあるの?」「シヴァ」
そして、寺院で貰った何かの実をコンダクター席にいる面々にお裾分けしてくれた。
コンダクター席は、ドライバーと話をしたり、少年にリンゴを貰ったり、神様の食べ物を貰ったり、後ろでは体験できない面白席であった。
一番前なので見晴らしがいいっていうのが座ってみたかった理由の一つでもあるし。
しかし、楽しい席のだが、実はエンジンの真上なので、ちょーー暑い。道はいいので揺れは問題なかったがとにかく暑い。
3時間後、隣の少年が降りた。他にも途中下車した人がいたため、おっさんは空いた後ろの席に移っていた。
そして、一仕事終えたコンダクターくんが、私の隣の席に戻ってくる。
その途端、突然、ドライバーは私のことをくどき始めた。
「シムラでは俺と一緒に過ごさないか?」
やだっつーの。なんで君と一緒に過ごすんだ。
「コンダクターの事は気にしないでいいよ。こいつは英語わからないからさぁ」
そういう問題ではありません。
コンダクター席に興味があったのは事実だが、それ以上に行きのバスでの経験から一般客席を避けてみたのだ。
だって、隣にインド男が座るのは必至。通路側になった日には両側男である。
勿論、インド男全員が痴漢な訳ないが、可能性を最小限に押さえてみようと自分の女の部分がぴぴと瞬時に反応した。
だって、コンダクターは少年だし、大丈夫そうでしょ?
とはいえ、ドライバーも若い男だってことを忘れていたのは迂闊だった。
今となっては笑いの種だが、ちょっと(かなり)軽率だったらしい。
コンダクター君はお子さまなため、夜中にはすっかり熟睡してしまった。
そして、この空間はちょうどエンジンの上なのでとても暑いのだけど、なぜかドライバーは窓をぴっちり閉める。
「この暑いのになんでまた・・・」と思っていたが、実は私が着ている服を脱ぐのを待っていたらしい。
北風と太陽かよ(^^;;
私は旅の時、どんなに暑い国でも絶対に長袖シャツを羽織っている。
特にインドなどでは体の線が出ないように気遣っている。
そのためその下は必ずタンクトップなど袖のない服を着て少しでも暑さをしのぐことにしている。
だからどんな状況であろうと公衆の面前ではシャツを脱がない。
インド男の前で少しでも脱いでしまったらどうなるか、以前のインド旅行で学習済みなのである。
「寝るときは、足を窓の方に投げ出していいよ。そうすると楽だよ」
ドライバーには、何度も何度もこの台詞を言われ続けた。
私は自分のザックに寄りかかり、座席の上で胡座をかいたり、体育座りをしたりしていた。
足を投げ出し、がーーッと熟睡してしまえば、体はとても無防備な状態になる。
彼はその瞬間を待ち望んでいたらしい。そのときはちーっとも気づかなかったけど(笑)
とても熟睡できるような状況ではないが、なんだかんだといって眠気が襲ってきた。
窓にもたれかかり、うとうととし始めるワタシ。
すると、なんか変な感触があり、はっと目が覚める。
その瞬間に自分の右斜め前を黒い影がさっと走るのが見える。
「????なんなの?」と思いつつ、またちょっとうとうとし始める。
しかし、今度は先ほどよりもさらに眠りが浅かった。変な感触と共に我に返る。
・・・もしかして、これは・・・痴漢行為?
ちょうど道はまっすぐな上り坂だった。ここでドライバーは思いっきりアクセルをふかした。
バスはちょっと加速ししばらくの間、惰性で上っていきそうである。
そこで彼は右手でハンドルを固定し、素早く左足を大きく私の方へ踏み出した。
必死に左手を伸ばし触ろうとしているのである。
コンダクターは熟睡してるし、チャンスは今しかない!
でも、所詮、彼は運転中でゆっくり触ることもできない。目測も誤る。
そんでもって私は目を覚ましてしまい、せっかくのチャンスをフイにしたらしい。
しかし、このせいで彼が運転を誤った場合、私の立場は一体どうなったのだろうか?
ちなみに、このコンダクター席は女性は一番乗ってはいけない場所だそうである。
ましてやお金を払って乗る場所ではないと、後でインド人にあきれ顔で言われてしまった。
座席に座れば隣の男に触られるし、コンダクター席だったらドライバーが痴漢である。
教訓としては、女一人で旅するならば、途中で連れを見つける。 倍のお金を払って座席を二つ確保する。 昼間は極力移動しない。
後は、触られたら欧米人女性のように烈火の如く怒り狂う! やっぱ一番大事なのは最後の「怒る」ってことかもなぁ。