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山に行く目的は人それぞれ。チベット世界とクスリの世界。

町中のお水屋台
1グラス50パイサの水屋台。
レモン+マサラで2ルピーだった。

通りがかりの公園でクリケットを思う存分堪能し、旧市街の観光名所をぐるっと回った。 デリー門を通りすぎ、ラージガート、ラールキラー、チャンドニーチョーク、ジャマーマスジットと、旧市街をぐるっと廻って宿に戻る。
ラージガートは、あの有名なマハトマガンディーが火葬された場所。 とは言っても、遺灰はヒンズー教の教えに習って川に流されたので、あるのは記念碑だけである。

ラージガートのまわりは公園になっていて、国内外からの観光客だけでなく地元の人々も訪れる。
家族連れが羽を伸ばしに来ているだけならくつろげていいのだが、それで済まないのがデリーだ。

出張ソフトドリンク屋 やっぱり出たよ。ナンパ野郎。
インド男に言わせれば、日本の女はイージーなんだそうである。失礼な!
ここでナンパ野郎のことを語り出すと止まらなくなるのでやめますが、インド各地何処へ行ってもナンパしてくるのは決まってデリーの男だった。
一体全体、日本女はどういう風に噂されているのだろうか。一度、インド男になって会話に加わってみたいモノである。尾鰭がついてとんでもない話になっていそうだ。

翌日の月曜日、帰りの飛行機のリコンファーム、両替、レー行きの航空チケット手配などを片づけていった。
レーはインドの北部ヒマラヤ山脈に西部に位置する町。かつてはラダック王国の首都でもあった。
チベット人が多く住み、チベット仏教のゴンパが立ち並ぶ。インドの中のチベット世界のひとつである。

チベット人はレーだけでなく、ダライラマ法王の亡命政府のあるダラムサラやマナリ、シムラなどの町にも多く暮らしている。 今回の旅ではチベット世界を見てみたかったので、まずレーに一気に飛んで、順番に下ってきたかったのだが、「次の空席は8月12日。」と、あっさり言い放たれる。
オンシーズンだから、インドに来る前に手配をしなきゃだめか。レーに行きたきゃバスしかないか・・・。

デリーの北約400kmほどに位置するマナリという町まで行き、そこからさらにバスで1泊2日かけて山を登って行くルートだ。
中には自転車や徒歩で行く旅人もいるらしいが、そこは世界一のヒマラヤ山脈。余程の気力、体力が必要である。

「そう言えば、昨日、同じ宿に泊まってた日本人がマナリに行きましたよ。バスのチケットはすぐ取れたみたい。」

例の"シバの祭りの大学生"の言葉に従い、教えてもらった代理店でチケットを買った。
日本人が利用したと聞いていた安心感があり、値段を特に確かめもしなかったら100ルピー多く払っていた(笑)
(正規料金に100ルピー上乗せして請求されるなど思いもよらなかった。日本の感覚でいるとあっさりぼられる。)

「ちゃんと店の前に料金提示してあったじゃないですか!」・・・だそうである。
支払前に確かめましょう。わはは。


さて、指定された時間に旅行代理店の従業員に連れられて来たのは別の旅行代理店。
どうやらここが大元だったらしい。

「私の買ったチケットの値段が高すぎるって聞いたんだけど、ホント?」
「あ、ホントだ!あいつら何やってるんだ!ホントはマナリまで250ルピーだよ。
 ほらあなた以外はみんな250ルピーでチケット買ってるよ!」


「後で絶対取り返してやる!」と息巻く彼はこの代理店の経営者R。
共同経営者である男性と2人で旅行代理店業務について3年ほど経つらしい。
2人ともとても流暢な日本語を話す。

「学校とか行かないで自分で憶えたよ」

いきなりそんな自慢話をされても困る。ひらがなカタカナはお手の物。漢字もちょびっと書けるらしい。

30分くらい待たされた頃だろうか、ひとりの日本人男性(仮にA氏としておく)がロビーに駆け込んできた。

「どうするの?今日行く?」
「いやあ、まだ迷ってる・・・。今からでも間に合うの?やっぱり行こうかな。」


スタッフを言葉を交わすA氏は20代前半くらいだろうか。何となく私とはそりがあわなそうなタイプである。

この時間に出るバスはマナリ行きとダラムサラ行き。そして、すでにダラムサラ行きのバスは出発していた。
・・・ということはこの人もマナリか。
ま、日本人がいた方が気楽かもしれないし。実は旅の達人かもしれないし。と思うことにする。

結局A氏はデリーを発つことを決めたようで、一緒にマナリ行きのバス乗り場に連れて行かれた。

「マナリまで行くの?へぇ。初ヤマ?」「ええ、まあ。」

どう考えても年下の、しかも初対面の男に何故ためグチきかれねばならんのだ!何が初ヤマだ!とは思ったが、 思わず愛想笑いで受け答えするあたり、つくづく大人になったモノだ。

「マナリまで何しに行くんですか?トレッキングでもするの?」

その会話を横で聞いていたRは首を左右に振った後、口元に何かをくわえる真似をしながらこう言った。

「あのお兄さんは"これ"しに行くんだよ」

げっ。ソリがあわないワケだ。根本的にインドに来た目的が違ったのだ。いわゆるハシシである。

マナリはインドでも有名な景勝地。冬は雪が降り積もり、雪見客が押し寄せる。
夏はトレッキングやキャンプを楽しんだり、私のようにラダックへ抜けるために訪れるツーリストがやってくる。

しかし、それは表向きの顔。周辺の山は、ハシシの産地としても有名なところ。
日本では手に入れることが難しいそれらのブツがインドでは簡単に手に入ってしまうのだ。

メインバザールを歩いているだけで、売人が私の耳元で顔色一つ変えず「マリファナ」などと小声で囁くような国である。
そういうのを目的にインドにやってくる人はこうやってたまにヤマに入るらしい。産地だから安く手に入るんでしょうかねぇ。よく知らないけど。

初ヤマって・・・そう言う意味だったのか。私もまだまだ青い。

それにしてもAの方も、「トレッキングでもするの?」の台詞を聞いて、ウマが合わない女だと思ったことでしょう。
だって私、くそがつくほどまじめだもん。ことこう言うことに関しては。

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